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2011 年度 実績報告書

不平等と逸脱行動-社会関係資本、不安感を媒介とする自殺・犯罪率の因果構造分析

研究課題

研究課題/領域番号 21330126
研究機関関西大学

研究代表者

与謝野 有紀  関西大学, 社会学部, 教授 (00230673)

研究分担者 高瀬 武典  関西大学, 社会学部, 教授 (90187956)
安田 雪  関西大学, 社会学部, 教授 (00267379)
高坂 健次  関西学院大学, 社会学部, 教授 (60027977)
草郷 孝好  関西大学, 社会学部, 教授 (30308077)
キーワード信頼 / 社会関係資本 / 自殺 / 相対的剥奪 / 兵庫県 / Easterlin仮説 / 横断的・時系列分析 / 投票力
研究概要

本年度は、前年度におこなった兵庫県における面接調査を補足する形で、兵庫県全域で4000サンプルのWEB調査をおこない、相対的剥奪のプロセスが、信頼の形成・阻害および自殺・犯罪といった社会病理現象とどのように関連するかの検討をすすめた。
また、この一方で、全国の県レベルの自殺率の分析を並行ですすめ、30年にわたる年齢別、性別、県別の自殺率を厚生労働省において収集し、このデータに関して、一般化最小二乗法を適用することで、時系列、かつクロスセクショナルな比較をおこなう統計分析モデルを構築し、分析をおこなった。この分析の主眼は、Pampelが指摘するようなプロセス、すなわち、「若年層ではコホートの人口圧力が人間間の協同と信頼を破壊し、自殺を増加させ」、「高齢者層では人口の多いコホートほど投票力によって福利を改善でき、自殺が減少する」というプロセスが日本において確認できるかを検討することである。結果として、日本においてPampelの指摘が明確に再確認された。
そのほかに、1998年以降の高自殺率の都道府県間の相対的位置、人口学的な要因の変化が確認された。具体的には、高自殺率であった東北各県や宮崎県の自殺率が全体として減少傾向を見せている。また、日本全体にわたって、高齢者層の自殺率が低下してきている一方で、若年層の自殺率が上昇しつつあり、近年の男性の高自殺率が自殺の若年化を原因としていることが明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 社会的福利に対する相対的剥奪度のマクロ的影響2012

    • 著者名/発表者名
      与謝野有紀
    • 雑誌名

      関西学院大学社会学部紀要

      巻: 114 ページ: 11-21

  • [学会発表] 社会的信頼、格差、自殺率の連関構造の分析-兵庫県下9区市町における調査データの計量分析-2011

    • 著者名/発表者名
      与謝野有紀
    • 学会等名
      日本社会学会
    • 発表場所
      関西大学千里山キャンパス
    • 年月日
      2011-09-17
  • [図書] 『現代の階層社会3流動化のなかの社会意識』20章担当(斎藤、三隅編)2011

    • 著者名/発表者名
      与謝野有紀
    • 総ページ数
      400
    • 出版者
      東京大学出版会
  • [備考]

    • URL

      http://www.kansai-u.ac.jp/step/researchact.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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