今年度は、課題名の共同研究の最終年度となる。そのため、3年間にわたる共同研究の成果の整理とまとめを行なった。それは、これまで国際比較調査の歴史・系譜とともに、そのさまざまな方法論的問題-サンプリング、翻訳、レスポンス・カテゴリィの表現形式、質問項目の等価性などの問題-について検討してきたが、それらをもう一度、代表的な国際比較調査の個々の事例にひきつけて確認しておくという試みであった。そのような整理とまとめは、以下のような項目と、それぞれについての中心的な担当者を割り当てて行なった。 I.世界の国際比較調査の歴史・現状・将来 真鍋一史(青山学院大学) 1.国際比較調査の系譜 2.国際比較調査の方法論的課題 II.事例研究 1.アジア・バロメーター 猪口 孝(新潟県立大学) 2.アジア・太平洋価値観調査 吉野諒三(統計数理研究所) 3.世界価値観調査 山崎聖子(電通総研) 4.国際社会調査プログラム 荒牧 央(NHK放送文化研究所) 5.「職業とパーソナリティ」国際比較調査 吉川 徹(大阪大学大学院) 6.日本語観国際センサス 米田正人(国立国語研究所) 7.「価値観と宗教意識」国際比較調査 川端 亮(大阪大学大学院) 以上の7つの代表的な国際比較調査については、つぎの4点について、整理とまとめを行なった。 (1)それぞれの国際比較調査の経緯とその内容 (2)方法論的工夫と残された問題 (3)主要な知見とその意義 (4)データ・セットの利用の解説 III.国際比較調査とデータ・アーカイヴ 真鍋一史(青山学院大学)
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