1. 海外からの研究者招聘については、長所基盤モデルに立つ代表的研究者である、Shadd Maruna(Making Good : How Ex-Convicts Reform and Rebuild their Livesの著者)とスウェーデンの元受刑者による団体KRISのリーダーである、Kris Carlssonをシンポジウムに招へいし、基調講演をしてもらった。シンポジウムでは活発な議論が行われ、その様子を多くのメディアが取り上げるなど、大きな社会的関心を集めた。また、同シンポジウムでは、少年院の教官、保護観察官、弁護士などの実務家、被害者運動団体のメンバー、少年院出院者をはじめとする当事者、当事者の父母など、様々な立場の人々がセッションを企画し、活発な意見交換が行われた。 2. 海外視察は、アメリカ、イギリス、フィンランド、オランダ・デンマークの関連機関および団体で行った。視察団の構成に当たっては、当事者・非当事者のバランスを取り、各々が帰国後、その知見を持ち寄り、後で述べる、当事者団体「セカンドチャンス!」の今後の運営についての大きな示唆を得た。 3. アクションリサーチについては、少年院を出院した人々の立ち直りに関する手記「セカンドチャンス-人生が変わった少年院出院者たち」(新科学出版社)を出版した。また、当事者および非当事者が少年院を訪問して、講演活動を行った。さらには、東京、大阪、名古屋、福岡で交流会を実施し、出院後の少年に対する相談活動を行った。最後に、少年院出院して立ち直った者(当事者)と非当事者による、少年院出院者支援の団体を「セカンドチャンス!」として組織化し、特定非営利活動法人化した。
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