研究概要 |
本研究の全体構想は、利用者本位の介護サービス提供体制におけるシステムの安定性を確保するための実証的データの精査に関する方策を見出すことである。そこで本研究では、介護サービスにおけるアウトカム評価のなかでもサービスの利用者評価と他の評価指標の関係を実証的に検証する。より具体的には、既存の介護情報と利用者情報、そして利用者評価データの連結を試み、その解析を行うことを目的とした。 以上を鑑み平成22年度は、利用者評価の調査手法について検討を行った。まず、利用者評価の調査プロトコルの作成を行った。サンプリング手法,調査方法,調査データの取り扱い事項について、研究者が有する調査データなどを活用して利用者本位の介護サービスの提供を把握することが可能となる調査プロトコルを作成した。続いて、プロトコルの検討に並行し、利用者評価の調査票試案を作成した。調査試案に関しては、調査側の意図した内容が、利用者の回答と一致したものであるかという論点について十分な検討を行った。 またそれらの検討を通して、介護サービスの利用者評価に際しては、利用者の家族についてもある種の利用者として位置づけ、家族からの介護サービス評価に関しても上記と同等のプロセスを通して、調査票の開発を行う必要性が浮き彫りになった。しかしながら、本年度においては、利用者評価の調査票を作成することが主たる目的であることから、次年度において検討を行うものとした。 最後に、調査対象機関として、一部に東北地方の施設を想定していたが、こちらについては次年度に再検討を行い、調査対象施設の確定と調査のための検討を改めて進めるものとした。
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