研究課題/領域番号 |
21330138
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
須田 木綿子 東洋大学, 社会学部, 教授 (60339207)
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研究分担者 |
西村 万里子 明治学院大学, 法学部, 教授 (00308074)
塚本 一郎 明治大学, 経営学部, 教授 (90274571)
今村 肇 東洋大学, 経済学部, 教授 (70176501)
藤林 慶子 東洋大学, 社会学部, 准教授 (60316289)
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キーワード | 介護保険 / 非営利組織 / Legitimacy |
研究概要 |
これまでに須田らは、介護保険制度を題材に、我が国の公的対人サービスの民営化が営利-非営利のダイナミクスに及ぼす影響を検討し、営利組織が営利組織的特質を強めるという欧米での先行研究とは異なり、我が国では、非営利と営利の事業者の差異は維持されているか、営利の事業者が非営利的要素を強めることで営利と非営利の同質性が高まることを明らかにした。これを受けて今回のプロジェクトでは、このような非営利組織の安定性の要因を、非営利組織に対する役割期待と、公的対人サービスに対する我が国固有の社会文化的文脈の視点から検討しようとしている。 初年度にあたる21年度は、介護保険指定事業者以外の512の非営利組織と関連領域の500人の行政担当官に電話調査を行い、我が国の非営利組織の共通特性を把握した。その結果、非営利組織と行政担当官は倫理やサービス供給組織の果たすべき役割、官-民関係について類似した認識を共有しており、そのことが両者の信頼関係を高め、非営利組織に優位性をもたらしていると推察された。今年度はまた、米国で公開されている非営利組織に関する既存の調査データを入手し、2次分析に着手し、データ・クリーニングを終えたところである。今年度はさらに、我が国の介護保険制度と同様の仕組みを導入しようとしている台湾と比較調査を行うための準備として、7人の行政官僚と4つの非営利組織にプレインタビューを行った。インタビュー内容のテープ起こしは完了しており、次年度の予算で翻訳を実施する計画である。
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