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2010 年度 実績報告書

Legitimacy:非営利サービス供給組織の存在意義

研究課題

研究課題/領域番号 21330138
研究機関東洋大学

研究代表者

須田 木綿子  東洋大学, 社会学部, 教授 (60339207)

研究分担者 今村 肇  東洋大学, 経済学部, 教授 (70176501)
藤林 慶子  東洋大学, 社会学部, 准教授 (60316289)
キーワードヒューマン・サービス / 介護保険制度 / 組織同型化 / 組織淘汰 / 組織コミュニティ / 公的
研究概要

当該プロジェクトでは、民営化されたヒューマン・サービス領域における我が国固有の行政-営利-非営利の関係をふまえ、非営利サービス供給組織の役割を明らかにしようとしている。
筆者らは、我が国のヒューマン・サービス領域の営利-非営利サービス供給組織の関係を、エコロジー理論と組織同型化理論の視点から検討してきた。しかしその限りでは、非営利サービス供給組織の今後について肯定的な議論を展開し得なかった。このような中で、サービス供給組織の廃止パターンが組織淘汰の理論による法則とは異なっており、上記のような組織間の競争を前提とする理論では説明しきれない現象も観察された。組織の集団レベルの適応は、組織淘汰と組織変化の2つのプロセスによるとされる。本研究は、我が国の営利-非営利組織の間には組織淘汰について法則性が認められないことを既に報告しており、したがって我が国のヒューマン・サービス領域で活動する営利-非営利の適応過は、が組織変化に負うところが大きいと予想される。そこで、このような組織の集団レベルの変化を、競争以外の原理で解き明かす可能性をもつ理論として、組織コミュニティ論に着目しての検討に着手した。営利-非営利組織との役割分化と共存のメカニズムを同定する中で、非営利組織が、我が国のヒューマン・サービスの「公」性を維持するアンカー的役割を果たしていることを、説得力をもって示したいと考えている。
いっぽう、今回のプロジェクトで採用した集団レベルの組織論アプローチについて反響を得、依頼を受けて、この種の方法論に特化したテーマでの論文の執筆・公表を行った。また、変容しつつある営利-非営利組織関係をふまえての民間公益活動の今後についてのレビュー論文も、依頼を受けて執筆した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Dynamics between Nonprofit and For-profit Providers Operating under the Long-Term Care Insurance System in Japan.2011

    • 著者名/発表者名
      Yuko Suda, Baorong Guo
    • 雑誌名

      Nonprofit and Voluntary Sector Quarterly

      巻: 41(1) ページ: 79-106

    • 査読あり
  • [雑誌論文] For-profit and nonprofit dynamics and providers' failures : The Long-Term Care Insurance System in Japan.2011

    • 著者名/発表者名
      Yuko Suda
    • 雑誌名

      Public Management Review

      巻: 13(2) ページ: 21-42

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 対抗的公共圏と高齢者をめぐる福祉的課題2010

    • 著者名/発表者名
      須田木綿子
    • 雑誌名

      社会福祉学

      巻: 51(2) ページ: 116-119

  • [雑誌論文] 知の相対性が開く老年社会科学研究の可能性2010

    • 著者名/発表者名
      須田木綿子
    • 雑誌名

      老年社会科学

      巻: 32(3) ページ: 348-352

  • [雑誌論文] 民営化と協同:ケアの視点から2010

    • 著者名/発表者名
      須田木綿子
    • 雑誌名

      共同の発見

      巻: 215 ページ: 2-4

  • [雑誌論文] 米国の社会的企業の現状と課題:ポスト社会的起業に向けて2010

    • 著者名/発表者名
      須田木綿子
    • 雑誌名

      世界の労働

      巻: 60 ページ: 36-43

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公開日: 2012-07-19  

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