平成22年度に当初計画した研究は社会情勢等の事情により、その一部について、平成22年度の中途において次年度繰越を余儀なくされた。そこで繰越前と繰越後に分け、研究実績について報告する。 繰越前においては、アプリケーションソフトウェア「Machan(まあちゃん)」の改良を実施するため、長春大学特殊教育学院(中国吉林長春市)の研究者との連携作業を実施した。具体的には、(1)ソフトウェアの国際かつ汎用性の高い運用を図るため、C言語への翻訳版を完成した。(2)中国版の制作に必要な設計図を同学院に郵送し、年度内の完成を目指すとともに関係者の本学への招聘のための協議を実施した。(3)ソフトのアップロード、ダウンロードサイトを作成した。しかるに平成22年に発生した長春市における反日運動の影響により、同学院との連絡が一時途絶えたため、事業の一部とりわけ同学院関係者の本学への招聘事業については平成23年度に繰り越すこととした。 繰越後においては、改めて先方と協議し、研究の継続について確認したが、同学院の学院長、障害学生を本学に招聘する計画については、東日本大震災の影響により大幅に遅延した。しかしながら平成23年度末には招聘を実現し、平成22年度計画において実施すべき懸案事項であった以下の事業を実施した。 すなわち同学院の関係者(学院長、中国手話通訳、聴覚障害学生2名)を本学に招聘し、中国における障害学生の状況、同学院の障害学生支援状況に関する報告会を実施し、多大な成果を実現した。
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