本研究は、4年計画にて、日本、アメリカ、カナダ、韓国のスクールソーシャルワーカーに対してアンケート調査を行い、それぞれの調査結果を比較分析して、日本のスクールソーシャルワーカーに求められる専門的知識や技術の抽出を行い、日本のスクールソーシャルワーカー養成や継続研修のカリキュラムを提示することを目的としている。 初年度である平成21年度は、平成22年度から順次行う予定である4カ国でのアンケート調査をより有効なものとするために、アンケート用紙の項目づくりのための基礎データの収集を行った。具体的には、研究協力に了承を得られた北海道、東京、滋賀、兵庫、岡山、香川、佐賀、沖縄の現役スクールソーシャルワーカー計15名に対して、それぞれ約3時間のインタビュー調査を行った。インタビューでは、個人が特定されないように配慮しながら、それぞれのスクールソーシャルワーカーが担当したケースについて、そのケースに対する見立て、具体的な動き(活動内容)、活用したもしくは必要とした理論・知識・技術・職業倫理等について、丁寧な聞き取りを行った。インタビューで聴取した内容は逐語記録におこし、グラウンデッドセオリーを用いた分析に着手している。この分析は平成22年度も継続して行い、アンケート調査項目に発展させる。 インタビュー調査と並行して、平成22年度から24年度にかけてアメリカ、カナダ、韓国でアンケート調査を実施していくための下準備にも着手した。具体的には、各国のスクールソーシャルワーカー協会もしくはそれに準ずる団体の代表等と連絡を取り合い、調査協力を得るための交渉および調整を行った。各国からはおおむね調査協力に対する了解を得られている。平成22年度も引き続き調査実施に向けての調整(時期、規模、回収方法等)を行う。
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