本研究は、4カ年計画にて日本・アメリカ・カナダ・韓国のスクールソーシャルワーカーに対してアンケート調査を行い、それぞれの調査結果を比較分析して、日本のスクールソーシャルワーカーに求められる専門的知識や技術の抽出を行い、日本のスクールソーシャルワーカー養成や現任者への継続研修のカリキュラムを提示することを目的としている。また、海外でも調査を行うことで、国際交流を深めることも期待している。 2年目となる平成22年度は、平成21年度に行った日本の現役スクールソーシャルワーカーに対する聞き取り調査の結果を分析し、それをもとにアンケート調査項目を作成した。海外事情にも配慮するため、調査対象者が最も多いアメリカの状況を把握することを目的に、全米スクールソーシャルワーカー協会(以下、SSWAA)の会長をはじめ、数名の現役スクールソーシャルワーカーに対しても聞き取り調査を実施した。 アンケート調査項目の作成と並行して、主に韓国とアメリカでの調査実施に向けての具体的な調整を行った。韓国においては、韓国スクールソーシャルワーカー協会に全面的に協力をいただき、郵送によるアンケートの実施について話し合った。アメリカにおいては、SSWAAとの協議の結果、電子メールを利用して調査を行うこととなった。当初は2~3州のみに絞って調査を行う予定であったが、回収率等を考慮した結果、SSWAAの提案により全州を対象とすることと、費用が抑えられる電子メールを利用することが決定した。調査対象者の電子メールアドレスはすでにSSWAAより入手した。また、平成23年秋に調査を実施することでSSWAAとの合意を得ることができ、それに向けて広報等の協力を得られることも確認した。
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