研究概要 |
保育者にとって,子どもの育ちを支えると共に,子どもを取り巻く環境調整力が今後一層必要とされてくる。特に,地域に開かれた保育所という中で,保育内容の充実とコーディネーターとしての企画力,そしてファシリテーターとしての実践力が必要である。すなわち子どもの発達に関する視点,地域の人々(成年,高齢者等)を理解するための生涯発達の視点,多世代の人々を結びつけていく社会的な視点を柱に,実際の保育現場における応用のきく保育者の養成のためのプログラムづくりが本研究の究極的な目的である。 そこで本年度の研究においては、まず保育所・幼稚園そして幼老統合施設における職員や保育士の活動について調査することにより、現場が抱える世代間交流プログラム実施のための問題点や課題点の抽出を行なった。特に、アメリカ合衆国ハワイ州の幼老統合施設であるSeagull schoolの現地調査を通して、世代間交流の特徴や実践資料、保育場面および指導教員への面接を手がかりにしながら教員の支援のあり方を明らかにした。この調査結果は2本の論文として発表された(査読有)。 また、沖縄県北部の幼老統合施設における世代間交流の調査も行い、来年度以降の保育者養成における実習プログラム作成および実施への足がかりとした。この結果は、2011年8月に神戸で開催されるPacific Early Childhood Education Research Association (PECERA)第12回大会において発表を行うことが決定している。 ワークショップ形式の調査は、兵庫県内の保育所における世代間交流プログラムとして3世代交流および地域交流を目的とした「和太鼓ワークショップ」を行った。この結果は、2011年7月にワシントンDCにおいて開催される、Generations United 16th International Conferenceにおいて発表を行うことが決定している。
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