研究課題/領域番号 |
21330150
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
柴山 直 東北大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (70240752)
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研究分担者 |
熊谷 龍一 東北大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (60422622)
佐藤 喜一 新潟大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (00300517)
石井 秀宗 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (30342934)
藤田 政博 関西大学, 社会学部, 准教授 (60377140)
野口 裕之 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (60114815)
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キーワード | 等化 / 対応づけ / リンキング / 学力調査 / 適性試験 / 項目反応理論 |
研究概要 |
本年度の主な成果は、1)異なる年度に実施された学力調査のリンキング、2)異なる主催団体によって実施された学力調査のリンキング、3)法学教育における評価手法の適用、4)分割等化法の発展である。また、5)CBTによる評価結果と試筆テストによる評価結果のリンキングについてのデータを収集できた。 まず、1)については昨年度に得られた新潟県学力調査データを係留(アンカー)テストとして平成16年度、平成18年度に得られた全県学力データを対法づけることを目標とした分析を試みた。これはリンキングのデータ収集デザインとしては係留テストを伴う不等価グループデザインと見なすことができる。多母集団モデル、EAP,MAP,MLEのそれぞれの観点から考察した結果、安定的に推定ができるのがMAPであること、またMAPおよび多母集団モデルによる平成16年度、平成18年度の年度間比較の結果、学力に大きな変動が見られなかったことが実証的にしめされた。 次に、2)については全項目が開示される我が国独特のテスト文化の中で得点分布をいかに比較するかを全国テストと自治体テストとのリンキング(対応づけ)の観点から実証的に考察し論文として公刊した。この論文は高く評価され日本テスト学会論文賞を受賞した。 また、3)については権威主義的パーソナリティと司法参加の観点から複数の尺度で測定されたパーソナリティスコアの対応づけにもとづく昨年度の成果の上にたって、量刑研究への展開を試みた。 さらに4)については「下位テストから構成されるテスト間の等化におけるブートストラップ法を援用した等化の標準誤差の評価」として日本テスト学会誌に掲載された。この成果は対応づけの中でもっとも前提条件が厳しい等化を法科大学院統一適性試験の実データに適用したものでもある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東日本大震災への諸対応のため研究代表者担当分のうちとくに平成22年度に収集した新潟県の学力データの分析が当初予定よりやや遅れているものの、他の研究分担者に関する部分は概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度の報告書とりまとめの過程で、予定より若干遅れている新潟県学力データの分析および対応づけ(リンキング)の作業を前倒しすることで所期の成果を得る。
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