研究課題/領域番号 |
21330151
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
三橋 美典 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (20157556)
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研究分担者 |
熊谷 高幸 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (10115298)
松木 健一 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (10157282)
中井 昭夫 福井大学, 医学部, 助教 (50240784)
川谷 正男 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (10362047)
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キーワード | 発達障害 / 高機能広汎性発達障害 / LD・ADHD / 神経心理検査 / 脳機能イメージング / 脳波・事象関連電位 / 教育・医療連携 |
研究概要 |
発達障害の原因となる認知・脳機構を解明し、総合的な診断・支援体制を構築するため、3ケ年計画の第2年度として以下の点について検討を行い、一定の成果が得られた。 (1) 21年度と同様、発達障害の疑いのある子を対象に、検査バッテリーを施行して予備的診断を行うとともに、脳電位や脳機能イメージングを用いた認知・脳機能検査を実施して、障害類型の特性や諸検査との関連性を検討した。本年度は、とくに比喩・皮肉理解、複雑な表情や社会的文脈の理解等の社会的認知に焦点をあてて検討した結果、障害類型に対応した脳機能データは得られなかったが、心理検査や発達年齢等の個人特性との間には一定の関連性が示唆された。 (2) (1)の知見に基づく社会性の向上、とくに思いやりを育成するプログラムを開発し、典型事例に試行した結果、一定の効果が認められ、神経心理学的観点による支援法の有効性が示唆された。また、21年度と同様な兄弟支援プログラムについても、事例追加によって有効性が確認できた。 (3) 調査研究として、21年度とは別の国際的評価尺度の日本語版を作成して妥当性を検証するとともに、学童対象の社会性に関する調査や発達障害成人・保護者対象の就労に関する実態調査を実施して一定の成果が得られたが、相互の関連性等の詳細な分析は次年度に持ち越しとなった。 (4) 新たに雇用した情報処理技術者の協力も得て、21年度に開発したICT利用による教員一保護者連絡システムを用いて日常行動のデータを収集・解析するとともに、心理検査や脳機能検査等の情報も統合したデータベースシステムを作成し、新たな診断類型・基準を策定する体制を整備した。 (5) 市民対象の相談会・公開講座や関係機関職員対象の研修会を開催するとともに、発達障害児の学習支援や就労体験教室を開設し、連携・支援体制の基盤作りに多大な成果が得られた。
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