研究課題/領域番号 |
21330152
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
権藤 恭之 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (40250196)
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研究分担者 |
高橋 龍太郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター, 東京都健康長寿医療センター研究所, 副所長 (20150881)
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キーワード | 高齢期 / 心理的適応 / 認知加齢 / 適応方略 / 老年的超越 / 精神的発達 / 性格特性 / ライフスタイル |
研究概要 |
本研究は、高齢期には加齢に伴う個人の認知身体機能、社会環境といった資源レベルの低下と伴に心理的適応方略がそれぞれの状態に応じて最適な状態に移行するという仮説を心理学だけでなく、社会学、生理学、医学のからなる学際研究の枠組みで明らかにすることを目的とする。 昨年度までの分析結果を踏まえ、本年度は地域在住70歳(69-71歳)を対象に調査を実施した。調査は、22年8月から23年3月にかけて兵庫県伊丹市、朝来市、東京都板橋区、西多摩地区(桧原村、日の出町、奥多摩町)で実施し総計999名)の参加を得た。調査内容は、1.心理的適応指標、2.適応方略、3.身体機能、4.認知機能、5.個人特性、6.社会人口学変数・社会的活動の6つの領域で実施した。現在、データを整理中であり、分析可能な対象者において特徴的な結果を一部報告する。まず、WHO-5を用いた精神的健康度の平均得点(25点満点)は、男性(273名)16.0点、女性(260名)16.1点で、これまで報告されてきた一般高齢者を対象にした研究結果と比較すると低い。また精神的健康度に関して、リスクがあると判断される参加者の割合は、19.5%であった。また、Montreal Cognitive Impairment日本語版(MoCA-J)を用いた認知機能評価の結果は、対象者372名の内、65.3%がMCIのカットオフポイント(≧26/30)を下回った。これらの結果は、地域高齢者を対象に基準値の再検討が必要な事を意味している。本研究の目的である高齢期の精神的発達に関する検討は、来年度に80歳の対象者の調査を行ない、年齢群による違いを比較することで行う予定である。
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