研究分担者 |
小島 康生 中京大学, 心理学部, 准教授 (40322169)
塚田 みちる 大阪国際大学, 短期大学部・幼児保育学科, 准教授 (20410631)
矢野 円郁 中京大学, 心理学部, 助教 (10510414)
本城 秀次 名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 教授 (90181544)
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研究概要 |
保健所の1歳半児健診・3歳児健診にて,ECBQ日本語翻訳版から,Attention Focusing Scale(AF), Attention Shifting Scale(AS), Fear Scale(FE), Frustration Scale(FR), Inhibitory Control Scale(IC), Perceptual Sensitivity Scale(PS), Shyness Scale(SH)の7尺度項目からなる気質質問紙と養育環境調査質問紙302部を配布し,82名から回答を得た(回収率:27,2%).有効回答は男児37名,女児32名の69名であった. ECBQ7尺度の因子分析の結果から,エフォートフル・コントロールと行動的抑制傾向が直交する気質次元として抽出されたことから,1歳半~3歳児を持つ養育者には,これら2つの気質は独立したものとして認識されており,行動制御に異なる経路で関わっている可能性が示唆された.養育者が子どもに玩具を与える意識やあやし方の個人差は少なく,子どもに対する発達期待と子どもの気質との関連は見られなかった. 質問紙回答者から縦断研究に対する協力の得られた子どもと親に大学実験室に来室を依頼し,行動的抑制傾向とエフォートフル・コントロールの実験室測定を行った.7人の子どもを対象とした予備実験を行い実験手順の精緻化を行った後,43名の子ども(短期縦断研究対象者5名を含む)を対象にした実験室測定を実施した.行動的抑制傾向の測定は,自由遊び課題,見知らぬ人とのあいさつ課題,トンネルくぐり課題の3課題に拠った.エフォートフル・コントロールの測定は設置した玩具の線路を外れないように電車を動かす課題,満足遅延2課題,順番で遊ぶ課題,誘惑抵抗課題の5課題から構成した. 短期縦断研究対象者5名の分析結果からは,行動的抑制傾向については安定していること,エフォートフル・コントロールは発達することが明らかになった.
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