研究課題/領域番号 |
21330156
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
水野 里恵 中京大学, 心理学部, 教授 (10321019)
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研究分担者 |
小島 康生 中京大学, 心理学部, 准教授 (40322169)
塚田 みちる 大阪国際大学短期大学部, 幼児保育学科, 准教授 (20410631)
矢野 円郁 中京大学, 心理学部, 助教 (10510414)
本城 秀次 名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 教授 (90181544)
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キーワード | 気質 / 自己制御 / 実行機能 / 生育環境 / 発達期待 |
研究概要 |
本年度は、研究目的に同意が得られたコホート2の40名の協力者の中から、36ヶ月齢前後に達する子どもとその養育者19組を対象に、自己制御行動にかかる気質とされる「行動的抑制傾向」と「エフォートフル・コントロール」について、実験的観察と質問紙による調査を実施した。実験は36ヶ月齢前後に達する子ども19名(レンジ:35ヶ月齢~39ヶ月齢、平均月齢:37.2ヶ月齢、SD:0.8ヶ月)を対象とした。なお、本実験の前に4組の親子を対象にtry outを行い、玩具の選定や手続きの精緻化を行った。実験課題は、行動的抑制傾向の測定に(1)自由遊び課題(2)あいさつ課題(3)黒い箱課題の3課題、エフォートフル・コントロールの測定に(1)お絵かき課題(2)順番課題(3)おはじき分け課題の3課題を設定した。実験中養育者は全ての課題において実験室の隅に設置された椅子に座り、Children's Behavior Questionnaireへの回答が求められた。本実験データの分析の結果、「自己制御行動は、新奇なものに対し臆するといった情動反応的な気質的個人差(行動的抑制傾向)と、注意の焦点化や行為の抑制といった実行機能に関連する気質的個人差(エフォートフル・コントロール)に区分される」との仮説(Eisenberg&Spinrad、2004;Rothbart&Bates、2006)を追認したと考えられた。また、昨年度に24ヶ月齢時点で収集したデータを使用し、24ヶ月齢から36ヶ月齢の間の行動的抑制傾向とエフォートフル・コントロールにおける個人差について検討したが、両時点でのデータが揃っていた児が10名と少数であったので、その変容性および安定性については今後の検討課題として残された。 上記に述べたように、研究協力者の脱落があったので、新たに協力者をリクルートしてデータを補充する必要が生じた。ゆえに、新たにリクルートした17名の研究協力児に対して実験観察調査・質問紙調査を実施した。この調査は繰越申請にかかる経費で行われたが、計画当初は9月に実施する予定であったが、協力児の月齢の問題があり(2歳になるまで待つ必要があり)、調査は3月に実施した。
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