研究分担者 |
小島 康生 中京大学, 心理学部, 教授 (40322169)
矢野 円郁 神戸女学院大学, 人間科学部, 准教授 (10510414)
塚田 みちる 神戸女子短期大学, 幼児教育学科, 准教授 (20410631)
本城 秀次 名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 教授 (90181544)
|
研究概要 |
1. コホート3の研究協力者を対象に第3回質問紙調査を実施した。調査内容は,対人場面での自己制御行動と母親の発達期待・価値観と子どもの気質測定である。気質測定は,CBQ日本語翻訳版から,Attention Focusing, Attention Shifting, Fear, Frustration, Inhibitory Control, Perceptual Sensitivity, Shynessの7尺度について実施した。 2.コホート3を対象にした2回の質問紙調査の分析を行い,以下の結果を得た。親が玩具・絵本選択に当たって留意する観点は以下の4つであった。親の視点から選択し一緒に楽しむ,将来の視点・デザイン重視,子どもの成長段階重視,子どもの好み(一人遊びをしそう)重視である。この4つの観点すべてを考慮して玩具・絵本の選択を親がしていると子どものエフォートフルコントロールが高くなることが明らかになった。玩具や絵本は子どもの注意機能の発達に密接に関連していることから,それらの使用を通しての遊びがエフォートフル・コントロールの個人差に関連している可能性を示唆したと解釈できた。一方,親が子どもを連れて外出する頻度や態度と子どもの行動的抑制傾向の個人差の発達には関連性が見られず,行動的抑制傾向の時点間の安定性は高かった。このことから,行動的抑制傾向は発達初期の環境の影響を受けにくい気質的個人差であると考察された。 3.日本心理学会において,シンポジウム「乳幼児を対象にした気質研究の現在:研究史上の流れと今後の展望から考える」を開催し,エフォートフル・コントロールと行動的抑制傾向の2つの気質特性について研究を進める意義について議論した。
|