研究課題/領域番号 |
21330157
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
丹野 義彦 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60179926)
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キーワード | 心理学的介入 / 認知行動療法 / ワークショップ |
研究概要 |
海外で実際におこなわれている認知行動療法を検討するために、研究代表者および連携協力者は、今年度にトルコのイスタンブールで開催された国際認知療法会議(International Congress of Cognitive Psychotherapies:ICCP)と、韓国のソウルで開催されたアジア認知行動療法会議(Asian Cognitive Behavioral Therapies Conference:ACBTC)に併設されている認知行動療法のワークショップに参加して、心理療法の技法の習熟に努めた。また、心理士が実施した認知行動療法の治療効果についての総説論文を発表し、資格問題を考える上で、大きな反響を得た。さらに、認知行動療法のワークショップを開催し、多くの図書を出版した。統合失調症への認知行動療法のマニュアル『統合失調症を理解し支援する認知行動療法:ロンドン大学精神医学研究所マニュアル』を翻訳し(金剛出版)、臨床心理士への普及をはかった。統合失調症の患者を対象とする研究と、統合失調症症状や統合失調症型についての研究を行なった。研究代表者は、日本行動療法学会の教育研修委員長として大会時の研修会の責任者となり、30本以上のワークショップを企画・運営し、臨床心理士や医師への普及に努めた。研究代表者は、日本認知療法学会、日本心理臨床学会などの学会大会において、認知行動療法についてのワークショップやシンポジウムを多数開催し、また招待講演をおこなった。このような活動をおこなうことによって、世界的にさかんになっている認知行動療法をわが国の臨床心理士に対して普及させ、日本に科学的でエビデンス・ベーストな臨床心理学を定着させることに貢献した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度までに、認知行動療法についてのワークショップやシンポジウムを多数開催し、心理士が実施した認知行動療法の治療効果についての総説論文を発表し、認知行動療法についてのマニュアルを出版するなど、当初の計画に比べて、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度までの成果をふまえて、来年度は、心理士が実施した認知行動療法の治療効果についての論文や著書を執筆し、認知行動療法についてのワークショップやシンポジウムをさらに多数開催するなど、来年度も計画通りに推進したいと考えている。研究計画の変更や、研究を遂行する上での問題点は今のところ特に見あたらない。
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