研究課題/領域番号 |
21330159
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松本 真理子 名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 教授 (80229575)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 子ども / 環境 / 小学校臨床 / メンタルヘルス / フィンランド |
研究概要 |
1)個別支援研究:子どものロールシャッハ法によるアセスメント研究として、子どもの公共反応の特徴と子どもを母集団とした基準による形態水準の再評価研究を実施し成果を論文化した。またNIRSを用いて発達障害児の心理検査遂行時の脳活動について研究を実施し、成果を英語学会誌に論文化した。 2)全体支援研究:一般小中学生および特別支援学級児、外国籍児と通常学級における担任が気になる児童を対象とした大規模データによるメンタルヘルス調査結果の分析を進めた。成果は国内学会および国際学会において発表した。そのうち3編を論文化(うち1編は英文誌)、1本を投稿中である。 3)子どもを取り巻く環境の共同相互連携支援システムの構築:4回目のフィンランドにおける小学校および中学校調査を実施し、特に中・高校生へのインタビュー調査を行った。成果は国際学会において発表予定である。 4)現代の日本社会・文化に生きる子ども像とその環境の解明:日本とフィンランドの子どものメンタルヘルスに関する国際比較研究において、収集したデータの評定、分析作業を継続して進めた。成果の一部は国内外学会において発表した。 以上の1)から4)について、今年度は9編の国内学会、6編の国際学会発表を行い、7編を論文化し積極的な成果発信を行った。来年度は最終年度にあたり現在分析中の成果を合わせ、日本の小学校における一般児童、学校で気になるとされる児童、のメンタルヘルスの特徴を明らかにし、その背景としての学校環境や地域の環境について日本の文化・社会という視点から、より健康な心の発達促進への支援について検討する予定である。成果の一部を来年度には図書として刊行する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成21年度開始研究であるがこの4年間で計画通りに、国際比較としてフィンランドでの学校環境調査および質問紙データ収集を終え、成果についても多くを発表してきた。具体的にはこれまでに研究全体の成果として、関連図書2編、論文9編、国内外学会発表38編と精力的に成果の学術発信を行っている。また来年度の計画としては、これまでの成果を広く社会一般への還元することを目指して専門家と一般向け図書を刊行予定である。
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今後の研究の推進方策 |
研究の最終年度にあたり、広く社会への研究成果還元が第一に重要なことと考えている。具体的には、一般向け図書の刊行、専門書の刊行、講演・研修会等での成果発信などである。さらにこれまでの知見の発展と国際共同研究を通して培った海外との研究交流を継続するための資金獲得、一層の研究発展の方向を探ることが来年度の課題であると思われる。具体的には、来年度科研への発展的新規申請、国際比較研究の拡大として アジア圏国家との比較研究を計画したいと考えている。
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