研究課題/領域番号 |
21330161
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
近江 政雄 金沢工業大学, 情報学部, 教授 (70016616)
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研究分担者 |
石川 健介 金沢工業大学, 基礎教育部, 准教授 (90319038)
伊丸岡 俊秀 金沢工業大学, 情報学部, 准教授 (20387351)
松本 圭 金沢工業大学, 基礎教育部, 講師 (40367446)
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キーワード | 認知行動療法 / 治療技法選択 / 脳・認知機能測定 / 社交不安障害 / 発達障害 |
研究概要 |
平成21年度は、(a)社交不安水準による認知行動的差異および(b)脳機能的差異、さらに(c)学習障害を持つ児童・生徒と健常群との認知行動的および(d)脳機能的差異を明確にするための実験を行った。(a)については、6名の大学生を対象に情動サッカード課題を行い、社交不安特性との関係を検討した。社交不安水準が高い参加者で特異的なパタンが得られること、また認知行動療法的介入によって、そのような特異的パタンが消失する可能性を示した。平成22年度以降も、実験を続ける予定である。(b)については、10名の大学生を対象にスピーチ課題を課し、その前後における前頭の脳活動をNIRSによって測定した。社交不安水準の高かった3名(高社交不安群)と低かった3名(低社交不安群)を比較すると、高社交不安群は聴衆を前にしたスピーチ後において、前頭におけるOxy-Hbのより大きな増加を示した。これは社交不安水準による脳機能的差異を反映していると考えられる。平成22年度以降は対象者を増やすと共に、CBT適用が先の脳活動に与える影響を明らかにすることをめざす。(c)については、学習障害をもつ中学生を対象に「文字の大きさ、文字組み方向(縦組み/横組み)、図の有無」などの要素を操作した文章を作成し、これらの文章を読む際の眼球運動パタンを健常な成人と比較した。この結果、学習障害をもつ生徒では、文字が小さい文章では一つ一つの文章を追跡していない傾向が見られた。また図や挿絵に対して停留が見られ、文章を目で追わない要因になっていることが示唆された。平成22年度以降は、(d)を実施するとともに、文章についてのさらに詳細な分析を行う予定である。
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