本研究では安心感に焦点を当てて、それによって生活習慣を変容させるプログラムの実行を阻むものに対して、その働きを抑制しようとするものである。生活習慣の変容を阻むものとして交流分析理論によるラケット感情を設定している。ラケット感情は、個人によってそれぞれ違うものとされているが、特徴としてその感情が徐々に蓄積されていき、最後に合理的な理由をつけて自己破壊的な行動を起こすものとされている。 本年度の研究では、携帯電話を用いての喫煙状況調査のためのプログラムを作成し、運用を開始した。このプログラムは喫煙時に携帯電話で空メールを指定のアドレスにおくることによって、オンラインで喫煙日時を記録するものであり、この記録と生活状況を対応させることによって、どのような状況で喫煙しているのかを記録するものである。のプログラムを試験的に運用して予備調査を行ったところ、調査対象者から、回答方法などについていくつかのプログラムの不具合が指摘されたためその修正を行ってより調査のしやすいプログラムへと修正を行った。 またこの研究のなかでラケット感情によるセルフ・コントロールの中断を防止するための手段としてTrue Colorsというパーソナリティの分類方法によって、同じパーソナリティ・タイプの人を集めると安心感が得られやすく、ラケット感情を喚起させずにセルフ・コントロールが継続できるという仮説を検証する計画であるが、これについて予備研究にとどまっており、次年度さらに研究を展開する予定である。
|