研究課題/領域番号 |
21330162
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
佐藤 豪 同志社大学, 心理学部, 教授 (90150557)
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キーワード | 安心感 / 生活習慣 / セルフ・コントロール / ラケット感情 / アローワー |
研究概要 |
本研究の目的は、生活習慣病を含め、生活習慣の変容を妨げるネガティブ感情(これをラケット感情と呼ぶ)の作用メカニズムを明確にし、生活習慣変容プログラムからの離脱や終了後の逆戻りを行使するための臨床心理学的プログラムの策定を目指すものである。 本研究では安心感に焦点を当てて、それによって生活習慣を変容させるプログラムの実行を阻むものに対して、その働きを抑制しようとするものである。安心感の重要性は近年特に注目されているが、本研究ではそれをアローワーという交流分析の概念とTrue Colorsというパーソナリティ類型論を用いて操作的に定義し、それを用いて介入研究を行おうとするものである。本研究では携帯電話のメール機能による簡単なセルフ・モニタリング技法に安心感の増大という操作を加えることによって、治療からの脱落や、逆戻りを防ぐことのできる生活習慣の変容プログラムを作成しようとするものである。 新しい研究としてスマートフォンによる喫煙の自己記録方法を導入し、これによってさらに使いやすいプログラムを構築することができている。試験運用は十分に終わっているが、プログラム担当者の事故などにより実用化するところで少々時間がかかっている。 また安心感を与えるためのプログラムとしてTrue Colorsを導入することは計画を進めており、具体的な導入が可能な状況となっている。 このように自己記録に基づくセルフ・コントロールと安心感を与えるということによって、セルフ・コントロールを阻害してしまうネガティブ感情をコントロールするということに具体的な方略が設定できつつある。 これらを統合することによって生活習慣全般をコントロールできる新たな方法論を策定できるものと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では生活習慣の中で喫煙行動をコントロールするために喫煙行動の記録を行わせる。そのために当初は携帯電話のメール機能による喫煙状況の記録を行いこれを改良し、スマートフォンによる記録に変更したが、プログラム作成を依頼したエンジニアの事故による受傷によりこの点が遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
スマートフォンよる喫煙記録についてのデータを収集し、さらに前年度から課題としてきたTrue Colorsによる性格の分類方法をさらに明確なものとし安心感を与えるプログラムの中に導入することが必要と考える。 スマートフォンによる記録のためのプログラムはすでに制作済みであるが、プログラム作成担当者の事故によりこれを用いた調査の実施がやや遅れているが、今年度はこれも問題なくできると考えられる。また、True Colorsについては、この版権を所持しているKatuyo Howard先生との交渉もほぼ終わっており、今年度はこれらの研究が推進できると考えられる。
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