研究課題/領域番号 |
21330162
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
佐藤 豪 同志社大学, 心理学部, 教授 (90150557)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 安心感 / 生活習慣 / セルフ・コントロール / ラケット感情 / アローワー |
研究概要 |
スマートフォンによる喫煙状況の調査に関しては、ユーザーの操作上の負担を軽減するようにさらにプログラムを整備し、またサーバー上でのデータの蓄積に関しても、精度の高いものにできている。これらの改良によってデータの集積はかなり容易になったが、実際に調査への参加者を募りデータを集積する段階に至って実際に記録の継続が困難である場合が多くこの点で研究の遅れをきたしている。このような状況のためにまとまった実績を提示することができていないが、その一部は関西心理学会の研究報告の中で発表している。安心感の増大のためのプログラムとしては、True Colorsを使ってそれを行うことを計画し、カリフォルニア州立大学のKatsuyo Howard先生との打ち合わせを綿密に行なっている。これらは日本で版権を持っているアスク・ヒューマン・ケアとの打ち合わせが詳細にわたって必要であり、現在その方法について検討中である。また安心感を阻害し、セルフ・コントロールを阻害するラケット感情に関する研究については、2013年度の国際交流分析学会で発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
スマートフォンによる喫煙状況の調査に関しては、プログラム上の不具合を整備し、かなり使い勝手の良いものとなっている。これによって喫煙状況を調査しているが、当初見込んでいた成人集団における喫煙者が会社等の社内規則の変更により大幅に減ってしまったために喫煙者のデータを集めることがかなり困難となっている。従って、データをきちんと収集できるようなフィールドの設定が、これからの課題となる。これについては大学生における喫煙者のデータ収集も並行して行なってきているが、大学生にとっては、喫煙状況をセルフモニタリングする事の動機づけが少ないためにきちんとデータを記録している学生が非常に少ないことの問題となっている。このような点を修正することが必要と考えられる。 このような点を改善するために現在、調査対象となる参加者の募集について再度検討し、禁煙意欲をもつ対象者の募集方法について検討を行なっている。これについては、インターネットなどを用いた募集方法も考えており、これについてホームページの整備を行なっているところである。
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今後の研究の推進方策 |
現在スマートフォンにおける調査は、その方法論としてはかなり確立されたものとなってきている。しかし前述したように調査対象者にきちんと継続的にデータを記録して貰うことがなかなかできていない。以前に問題となったようなスマートフォンに関する操作の問題ではないことからすると、調査対象者のモチベーションの問題を検討する必要があると思われる。本来この調査の意図からすれば、禁煙を目指す人のためのセルフコントロールの援助ということになるが、現在調査対象者としている人たちは、あまり禁煙を意識せずとりあえず喫煙している人というふうに設定している。このような点がデータをきちんと集められない一つの問題点であろうと考えられる。そこで、今後の研究としては、対象者に記録のモチベーションを持たせるような方法を検討し、具体的な禁煙を目的とする調査対象者をふやす必要があると考えられる。また True Colors に関する安心感の増大に関しても、さらに明確な方針を立てていく必要があると考えられる。 以上のような点を修正することによって、本研究のデータを収集することが可能となると考える。
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