研究課題
本研究は、戦後ドイツ史を通底する重要課題である「過去の克服」問題を、精神史・文化史的文脈から捉え、特に1950年代を中心にその具体相を明らかにすることを課題としている。研究初年度の今年度は、本研究を分担する7名の研究者が、交付申請書記載のそれぞれの研究テーマを追求するための基礎となる文献・資料の収集とドイツでの調査研究を中心に行った。すなわち、研究代者の對馬は、フリッツ・バウアー研究所(フランクフルト)での調査研究、山名は「テロのトポグラフィー」(ベルリン)での調査研究を行い、渡邊はヴェーニガーの歴史教育論に関して、遠藤は宗教教育の復権に関して、小玉は家族の再生に関して、それぞれドイツでの資料収集活動を行った。さらに、今井はアドルノの、また池田はヤスパースおよびハイデガーの基本的著作の収集と分析作業を進めた。これらを通して収集された文献・資料に基づき、教育史学会のコロキウムの枠を活用して、研究報告と討論の機会を設けた。また本年度は、4月、9月、2月の合計3回の全体研究会を行い、共同研究としての認識の共有を図った。
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