研究課題/領域番号 |
21330179
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松下 佳代 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 教授 (30222300)
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研究分担者 |
伊藤 実歩子 甲南女子大学, 人間科学部, 准教授 (30411846)
石井 英真 神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部, 講師 (10452327)
樋口 太郎 大阪経済大学, 経済学部, 講師 (30413397)
杉原 真晃 山形大学, 基盤教育院, 准教授 (30379028)
遠藤 貴広 福井大学, 教育地域科学部, 講師 (70511541)
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キーワード | 新しい能力 / コンピテンシー / リテラシー / ポスト近代社会 / スタンダード / PISA / DeSeCo / パフォーマンス評価 |
研究概要 |
本研究は、<新しい能力>と総称される諸概念(リテラシー、コンピテンシー(コンピテンス)、エンプロイヤビリティなど)を理論的に分析するとともに、それらの諸概念が、先進諸国において具体的にどのような教育政策・教育方法として提案され、大学を含む学校教育の実践現場にいかなる影響を及ぼしているのかを、教育方法学の立場から実証的に明らかにすることを目的としている。本年度は以下の二つの研究作業を進めた。 (1)理論研究-<新しい能力>やそれに基づく学力概念について検討し、その共通性と差異、社会的・文化的・歴史的背景、ならびに各国(日本、オーストリア、スウェーデン、アメリカ、フィンランド)の学校教育に与えてきた影響について整理した。この成果は近く単行本として刊行される(『<新しい能力>は教育を変えるか-学力・リテラシー・コンピテンシー-』ミネルヴァ書房、2010年夏刊行予定)。なお、フィンランドの章は、オウル大学のP,ハッカライネン教授に寄稿していただいた。 (2)比較研究-2/20~27の期間、オーストリアでの訪問調査を行った(伊藤・松下・杉原)。具体的には、(1)ウィーンの小学校・中等学校訪問-授業参観と教員へのインタビュー、(2)ウィーン大学訪問-K. H. Gruber教授へのインタビュー、(3)BIFIE Zentrum Wien(教育スタンダード作成センター)訪問-関係者へのインタビュー・情報交換と資料収集、を実施した。オーストリアは、「PISAショック」以後、スタンダード導入による大幅な教育改革を進めており、本調査において、スタンダード導入の進捗状況、教員の反応、授業への影響などを把握することができた。現在、インタビュー記録の作成・分析を進めており、その結果は伊藤を中心に整理・公表される予定である。
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