研究課題/領域番号 |
21330181
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研究機関 | 獨協大学 |
研究代表者 |
市川 須美子 獨協大学, 法学部, 教授 (30117692)
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研究分担者 |
成嶋 隆 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (90115056)
中嶋 哲彦 名古屋大学, 大学院・教育発達科学研究科, 教授 (40221444)
世取山 洋介 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (90262419)
小泉 広子 桜美林大学, 総合科学系, 准教授 (40341573)
高橋 哲 中央学院大学, 商学部, 講師 (10511884)
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キーワード | 教育基本法 / 民主党政権 / 地方教育行政 / 子ども手当 / 高校授業王宕質無償化法 / 新自由主義 / 新国家主義 |
研究概要 |
研究期間2年目に当たる本年度は、2009年9月の総選挙を受けての政権交代という事態によって生まれた、「新」教基法の立憲主義的解釈の究明に関わる新しい課題に応答する研究を行なった。民主党は結党以来、国会に教育関係法を提出し続け、その数は優に20を超えている。それらを収集するとともに、新自由主義および新国家主義の徹底度という観点から、1.個々の法案の特徴、2.法案全体の特徴の経年的変化、3.民主党「日本国教育基本法案」との関係、4.「新」教基法および自公政権のもと開催された教育関係法との関係、5.「新」教基法の再改正の必要性、6.選挙マニフェストと教育関係法案の関係を分析した。その成果は、『民主党教育関係法案と選挙公約』として公表されたほか、関連学会において発表されている。それにより、新しい知見を獲得することができた。具体的には、1.民主党の教育関係法案は、2003年までの福祉国家的色彩の強い法案、2003年以降の新自由主義的法案、および政権獲得後における新自由主義をベースとしながら、福祉国家的要求を吸収する法案と大きく分けて3つの時期に区分できること、2.民主党教育関係法案は、ナショナル・ミニマム・スタンダードの縮小ないしは廃棄、および、地教教育行政の首長部局化等、自公政権以上に徹底して新自由主義改革を進めるものであること、3.民主党は「新」教基法案に対抗すべく、新自由主義的色彩と新国家主義的色彩のよりはっきりとした日本国教育基本法案を提出し、それを具体化するために教育関係法案を提出してきたものの、教育関係法案は、「新」教基法と矛盾せず、また、「新」教基法の解釈により、法案を正当化できるので、再改正は必要とはされていない等である。
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