研究課題
地方自治体の実施する教科指導現職教育プログラムを、教員採用後5年~10年の教員対象のプログラムとして開発し、地方自治体と連携してこれを実施することにより、教科指導を中心的に担える人材を育成するモデルを開発することが本研究の目的である。そのため国内3ヶ所において研究を実施してきた。これらのモデルは、①自治体主催の研修の一部を用いるもの(松江地区・社会)、②自治体で影響力を持つ人材が研修機関に働きかけて組織した研修会によって、希望者が集まって行われるもの(焼津地区・数学)、そして③地方自治体の全面委託を受けて大学教員がすべてを取り仕切って実施するもの(小笠地区・理科)に大別される。本年度は、①(松江)については継続して研修を実施し、その成果が評価された。そして②(焼津)と③(小笠)については、教員の自主的な研修組織へと改組され、そこに研究者が支援を行うという形で研修が継続された。本年度は、これまでの研修成果をもとに、これら3つのモデルの一長一短が分析され、地方自治体における研修への研究者の関わり方が議論された。たとえば①のモデルについては、参加者への一定の「強制力」はある一方で、研修主体が自治体にあるためプログラム実施日程や研修内容の自由度が低くなるという問題点があり、②のモデルについては研修参加者のモチベーションが高いものの、影響力ある自治体人材の去就によって研修が左右されるという問題点が指摘された。これらの問題点を克服できるのが③のモデルであり、地域の公的な研修という位置づけによって実施時間や回数が確保しやすく、参加者のモチベーションも比較的高い。そして研修内容の自由度が極めて高く、研修の成果によっては自主的な研修会への衣替えも可能となる。以上より、地方自治体における教員研修への大学(教員)の関わりに関して、「協力」ではなく「主体」としての参画の必要性が結論された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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理科の教育
巻: 63 ページ: 24-27