最終年度としてのまとめを行った。まず、戦前の修身教育についてのまとめについて、連携研究者、研究協力者によって取り組んだ。戦前の修身教育を受けた人たちへのインタビューのまとめ、戦前の小学校教育における修身教育の実態のまとめ、教師に求められた修身授業の理解や方法に関する資料の分析等について合同で検討会を設けて再検討を行い、その成果はデータベース化した。また、戦前の社会教育機関における道徳教育の実態と戦後の活動の分析、終戦後の道徳教育をリードした研究者の主張と戦前の修身教育との関係等についても検討しまとめを行った。それらを通して戦前の道徳教育と戦後の道徳教育の連続性と不連続性について分析し、これからのわが国の道徳教育の在り方について協議した。 また、中国の北京師範大学との研究交流会を本研究のまとめの一環として行った。研究交流会では、中国側からの発表、日本側からの発表がありそれらをもとにした討議を行った。発表内容については事前に冊子にまとめ、より深い研究交流を行うことができた。それらの記録は昨年のアメリカでの研究交流、一昨年の韓国での研究交流、初年度の中国での研究交流と比較できるようにまとめを行った。 以上のような研究のまとめをもとに、改正教育基本法が提案する、幼児期から生涯にわたる人格の完成を目指した教育の基盤となる道徳教育の在り方に関する分析・提案、いっそう強調される学校、家庭、地域連携による教育の中核となる道徳教育の具体的展開に関する分析と提案を行った。
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