研究課題/領域番号 |
21330209
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
長崎 勤 筑波大学, 人間系, 教授 (80172518)
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研究分担者 |
宮本 信也 筑波大学, 人間系, 教授 (60251005)
前川 久男 筑波大学, 人間系, 教授 (00115148)
藤野 博 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00248270)
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キーワード | 自閉症 / 社会性 / アセスメント / 幼児・児童 / 初期社会性発達支援課題 / 視線共有 / 情動共有 |
研究概要 |
<研究I-3>「初期社会性の発達アセスメント(AES)」の自閉症児への適用 「初期社会性の発達アセスメント(AES)」を特別支援学校の幼稚部・小学部の56名の自閉症児に適用し、その妥当性を検討するとともに、プロフィール特性を分析し、項目間の関連性の検討した。その結果、模倣と共同注意、情動共有などの間に有意な相関が認められた。また、役割の模倣と能動的共同注意、能動的共同注意と情動共有などの間にも有意な相関が見られた(吉井・長崎,2012)。 <研究II-2,3>「初期社会性発達支援課題(TES)」レベルI、IIの自閉症児への実験的支援 「初期社会性の発達アセスメント(AES)」によって、支援レベルがI(行動と情動の共有)、レベルII(物を媒介とした目標の共有)と評価された、特別支援学校幼稚部・小学部自閉症児に「初期社会性発達支援課題(TES)」を適用した支援を15回~20回行い、その妥当性を検討した。 1.若井・中村・吉井・長崎(2011)では特別支援学校小学部自閉症児童に身体ゲーム活動(「忍者教室」スクリプト)の指導過程における視線・情動を分析した結果、情動共有から視線共有の獲得という過程が認められた。 2.吉井・若井・長崎(2011)では、特別支援学校幼稚部自閉症幼児に、電車あそびゲームにおける指導者と自閉症幼児との協同活動の指導過程を分析した結果、初めは指導者が幼児の動きに合わせることから徐々に幼児が指導者の動きに合わせることができるようになる過程が見いだされた。 3.竹内・長崎(2011)では、レベルが特定できない特別支援学校小学部自閉症児童に、AESとTESを適応してアセスメントと支援を行った結果、AESの達成率が40%台から70%近くへと増加して、一定の効果が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
23年度の目的は、「初期社会性の発達アセスメント(AES)」の自閉症児への適用と「初期社会性発達支援課題(TES)」レベルI、IIの自閉症児への実験的支援であったが、それぞれデーター収集、分析、また日本発達心理学会、日本特殊教育学会で学会発表を行い、成果の公表まで行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
24年度は最終年度となるために、申請書の研究計画に従って、「初期社会性発達支援課題(TES)」レベルIIIの自閉症児への実験的支援、<研究II-5>「初期社会性発達支援プログラム・パッケージ」の重度の自閉症児への実験的支援を行う。重度の自閉症児にはSCERTSモデルで提案されている、情動調整を重視した支援を試みる。
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