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2009 年度 実績報告書

ITを活用した読み書き障害の評価と教育支援に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21330211
研究機関東京大学

研究代表者

中邑 賢龍  東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (70172400)

研究分担者 坂井 聡  香川大学, 教育学部, 准教授 (90403766)
苅田 知則  愛媛大学, 教育学部, 准教授 (40363189)
キーワード学習困難 / 学習支援技術
研究概要

本年度は読み書き障害への支援技術適用のために、読み困難や書き困難な状態について基礎データを得ることを目的とし、小学生の書字および読み行動をデジタルペンを用いて時系列的に解析した。
書字については、石川県の小学校1年から6年生まで618名の視写(書き写し)および聴写(聞き取り)データを測定した。視写において、仮名は3年生まで、漢字は5年生まで書字速度が向上し、仮名は4年生まで、漢字は5年生まで停留時間が減少することが明らかになった。エラーについて学年差は見られなかった。聴写についても学年とともに速度は向上するが、聞きながら書く児童と聞いてから書く児童が存在することが明らかになり詳細な分析を継続中である。
音読については石川県の小学校1年から6年生まで618名、長野県の小学校の558名の児童に対し、指定した文章を提示し、同時に分かち書き、ルビ振り、拡大、縮小、行間拡大を行った課題についても読み上げてもらった。平均読み速度については,低学年・中学年・高学年という括りで,男女とも同様に上昇するという結果だった。読み速度が平均よりも1.5標準偏差以上遅い児童は,4~6年で2%強と,文科省の,「読む」又は「書く」に著しい困難を示す割合2.5%という報告と近似の値であった。それらの児童に対しては,レイアウト変更等によって読み速度が改善することが示されたが,レイアウトのどの変更が読字のパフォーマンスを改善するかについては一貫した結果は得られず,児童によって異なっていた。
読み書きの遅れのある児童と研究室に相談のあった20事例を詳細に分析すると、視知覚困難に起因するものと聴覚困難に存在するものに大別できるだけでなく、様々なパターンが示されており、デジタルペンを用いた時系列的分析が支援技術の適合判断の資料として効果的であると考えられる。

  • 研究成果

    (21件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (15件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 教育へのアクセシビリティとIT技術の活用2010

    • 著者名/発表者名
      近藤武夫
    • 雑誌名

      地域リハビリテーション

      巻: 5巻2号 ページ: 119-122

  • [雑誌論文] 発達障害に伴う困難を支援する技術とその現状2010

    • 著者名/発表者名
      近藤武夫
    • 雑誌名

      リハビリテーション・エンジニアリング

      巻: 25巻2号 ページ: 70-73

  • [雑誌論文] 児童の論理的な読み書き能力を育む思考の相互観察活動-デジタルペン黒板システムを使用した授業実践から-2009

    • 著者名/発表者名
      高橋麻衣子・川口英夫・牧敦・嶺竜治・平林ルミ・中邑賢龍
    • 雑誌名

      認知科学

      巻: 16(3) ページ: 296-312

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 小学校通常学級在籍児童の視写書字速度2009

    • 著者名/発表者名
      河野俊寛・平林ルミ・中邑賢龍
    • 雑誌名

      特殊教育学研究

      巻: 46(4) ページ: 103-110

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 小学校通常学級在籍児童の聴写書字速度と正確さ2009

    • 著者名/発表者名
      河野俊寛・平林ルミ・中邑賢龍
    • 雑誌名

      特殊教育学研究

      巻: 46(5) ページ: 269-278

    • 査読あり
  • [学会発表] 特別支援学校の教師がWEB教科書に対して抱くイメージ2010

    • 著者名/発表者名
      平野恵子・高橋信行・苅田知則
    • 学会等名
      日本環境心理学会第3回大会
    • 発表場所
      相模女子大学(神奈川県)
    • 年月日
      2010-03-27
  • [学会発表] 小学校通常学級在籍児童の書字のlegibility(読みやすさ)の発達2010

    • 著者名/発表者名
      河野俊寛
    • 学会等名
      日本発達心理学会第21回大会
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県)
    • 年月日
      2010-03-26
  • [学会発表] 障害のある人々の出版物へのアクセシビリティ-出版物はどのように変わるか?押し寄せる電子化の波とその現状-2009

    • 著者名/発表者名
      近藤武夫
    • 学会等名
      ATACカンファレンス2009 京都
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府)
    • 年月日
      2009-12-06
  • [学会発表] 特別支援教育への携帯電話の活用-携帯電話の利用規制・ケータイは学校教育・病院の害なのか?2009

    • 著者名/発表者名
      近藤武夫
    • 学会等名
      ATACカンファレンス2009 京都
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府)
    • 年月日
      2009-12-06
  • [学会発表] 障害のある子どもへアクセシブルな教科書を届ける-教科書バリアフリー法の登場により変わる教科書利用の可能性2009

    • 著者名/発表者名
      近藤武夫
    • 学会等名
      ATACカンファレンス2009 京都
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府)
    • 年月日
      2009-12-06
  • [学会発表] 障害学生の受験における配慮の現状-大学や高校入試における合理的配慮とアファーマティブ・アクション-2009

    • 著者名/発表者名
      近藤武夫
    • 学会等名
      ATACカンファレンス2009 京都
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府)
    • 年月日
      2009-12-06
  • [学会発表] 書字障害児へのチャットによるキーボード入力指導2009

    • 著者名/発表者名
      河野俊寛
    • 学会等名
      日本LD学会第18回大会
    • 発表場所
      東京学芸大学(東京都)
    • 年月日
      2009-10-11
  • [学会発表] 読み書きの特別支援教育における支援技術利用の在り方2009

    • 著者名/発表者名
      近藤武夫・神山忠・河野俊寛・平林ルミ・成松一郎・松井進・中邑賢龍
    • 学会等名
      日本LD学会第18回大会
    • 発表場所
      東京学芸大学(東京都)
    • 年月日
      2009-10-11
  • [学会発表] 発達障害と貧困-アスペルガー症候群当事者を対象として-2009

    • 著者名/発表者名
      高森明・近藤武夫
    • 学会等名
      障害学会第6回大会
    • 発表場所
      立命館大学(京都府)
    • 年月日
      2009-09-27
  • [学会発表] 小学校通常学級在籍児童の視写書字速度発達の縦断研究2009

    • 著者名/発表者名
      河野俊寛・平林ルミ・中邑賢龍
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第47回大会
    • 発表場所
      宇都宮大学(栃木県)
    • 年月日
      2009-09-20
  • [学会発表] 障害のある学生の大学進学-大学進学における合理的配慮の現状と課題-2009

    • 著者名/発表者名
      近藤武夫・中邑賢龍・巌淵守・斉藤のぞみ・小林春彦・守屋雄一郎
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第47回大会
    • 発表場所
      宇都宮大学(栃木県)
    • 年月日
      2009-09-19
  • [学会発表] ダイバーシティ教育における多様な読み書き指導を実現するデジタルプラットフォームの開発2009

    • 著者名/発表者名
      近藤武夫・中邑賢龍
    • 学会等名
      日本教育メディア学会第16回年次大会
    • 発表場所
      新潟大学(新潟県)
    • 年月日
      2009-09-13
  • [学会発表] The Effects of Evaluating Others' Ideas on Crafting Persuasive Essays with the Information Sharing System Using "Digital Pen".2009

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, M., Inuzuka, M., Kawaguchi, H., Maki, A., Nakamura, K.
    • 学会等名
      The 13th Biennial Conference of the European Association for Research on Learning and Instruction
    • 発表場所
      VU University, Amsterdam, the Netherlands(オランダ)
    • 年月日
      2009-08-01
  • [学会発表] デジタルペンを用いた新たな書字行動分析の試み2009

    • 著者名/発表者名
      平林ルミ・高橋麻衣子・河野俊寛・中邑賢龍
    • 学会等名
      第9回発達性ディスレクシア研究会
    • 発表場所
      横浜L-プラザ(神奈川県)
    • 年月日
      2009-06-28
  • [学会発表] 小学校通常学級在籍児童の書字のlegibilityの発達2009

    • 著者名/発表者名
      河野俊寛
    • 学会等名
      第9回発達性ディスレクシア研究会
    • 発表場所
      横浜L-プラザ(神奈川県)
    • 年月日
      2009-06-28
  • [図書] ケータイで障がいのある子とちょこっとコミュニケーション2009

    • 著者名/発表者名
      坂井聡・宮崎英一
    • 総ページ数
      120
    • 出版者
      学習研究社

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公開日: 2012-07-19  

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