研究課題/領域番号 |
21330213
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
小枝 達也 鳥取大学, 地域学部, 教授 (70225390)
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研究分担者 |
田丸 敏高 鳥取大学, 地域学部, 教授 (30179890)
寺川 志奈子 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (30249297)
関 あゆみ 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (10304221)
田中 大介 鳥取大学, 地域学部, 助教 (20547947)
内山 仁志 鳥取大学, 地域学部, 助教 (60348604)
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キーワード | 学習障害 / ディスレクシア / 早期発見 / RTIモデル / 指導法開発 |
研究概要 |
本研究ではRTIモデルを導入して、就学後早期に文字の読み書きや算数に困難がある学童を抽出し、疑いの段階から実態把握に着手するとともに特別な教育支援を提供して、就学後に早期発見する方法の開発と、その効果や反応を縦断的に追跡することによって検証し、効果的な教育的指導法を開発することを目的としている。 平成22年度は、昨年度開発した平仮名の直音音読検査の有用性を検討するとともに、音読が苦手と判断した児を対象に自主学習DVDを用いた音読指導の効果を検証した。また、1年生の学年末にディスレクシア疑い児の選定を目途とした「音読が苦手」という基準作成のための音読検査データ収集を行った。 対象児はT大学附属小学校1年生80名、G大学教育学部附属小学校1年生115名と公立小学校2校の1年生174名の計369名である。7月、12月、3月に直音音読検査と4つの音読検査(単音、単語、非単語、単文)を組み合わせて実施し、12月に音読が苦手な児童20名を選定した。この20名に対して自主学習DVDを用いた3週間の音読指導を実施した。その結果、音読時間の減少効果が確認された。また、4つの音読検査の音読時間、誤読数、未習得語数に対するデータ収集を行った結果、1学年末に音読が苦手という目安として(1)2つ以上の音読検査にて音読時間が2標準偏差を超えること、もしくは(2)未習得語数が10以上であることという暫定的な基準を作成することができた。この基準にて音読が苦手な児童の出現率は7.3%であった。この暫定基準による直音音読検査を単独で実施した場合の感度と特異度は約90%であった。今後は、治療的介入を行いながらこの中からディスレクシア疑いあるいは診断される児童の出現頻度を調査し、暫定基準の見直しを行う予定である。
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