研究課題
学習障害の中核である発達性読み書き障害(ディスレクシア)の早期発見と指導を目的としたRTI(Response to Intervention)をもとに、最終的にはディスレクシアの診断へとつなげる新しいRTIモデルを開発した。この方法は、小学校1年生の7月、12月、3月に平仮名の音読テストを実施し、音読が苦手であると判断された児童には音読指導を行い、改善が良好な場合には指導を終了とするが、改善が不十分な場合には、さらに指導の段階を高め、1年生の学年末にはディスレクシアの診断へとつなげるというモデルである。音読テストとして、直音だけで構成される直音音読検査を開発し、すでに開発されている単音音読検査と単文音読検査とを組み合わせることで、見逃しのない基準を設定した。2011年にRTIモデルに基づいた540名を対象としたコホート調査を実施し、発達性読み書き障害の有病率が2.1%であることを明らかにした。2013年に新しいコホート調査を実施し、すべての直音を音読するのに要した時間を指標としていた直音音読検査を、1分間で音読できた直音の数を指標とするように改善して、小学校の担任教師が実施できるように簡略化した。音読指導の基準を54個以下であると設定することができた。さらに、音読指導として文字とその読みとの対応を自動化して誤読を減らす解読指導および文章の音読速度を改善するための語彙指導という2段階方式を開発した。解読指導については、小学校で通常学級の担任でも指導できるように、ICTを利用した音読指導プログラム(単音版と単語版)を開発して、ホームページ上で公開し提供するとともに、タブレット端末でも使用できるようアプリも開発して提供している。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012 2011 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 3件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)
脳と発達
巻: 45 ページ: 239-242
発達障害研究
巻: 34 ページ: 21 -28
http://www.dyslexia-koeda.jp/