PCとその周辺機器、および数論に関する書籍を多数購入し、研究に必要な環境を整えた。 7月にはベトナムで開かれた数論に関する研究者の研究集会にオーガナイザーとして参加した。8月下旬に広島大学で開催された代数学シンポジウムにプログラム責任者として参加した。9月には神奈川県で開かれ場整数論サマースクールに参加した。11月には上智大学の都築正男氏が長野県白馬村で開催した保型形式に関する国際研究集会に参加した。また平成26年1月に数理解析研究所で開催された保型形式シンポジウムに参加した。また、これらの研究集会に参加した研究者に対して旅費の支援を行った。さらに九州大学の今野拓也教授と保型表現に関する研究打ち合わせを行った。 半整数の重さを持つ保型形式に対しては整数の重さを持つ保型形式の間に志村対応という対応があることが知られている。一変数のフルモジュラー保型形式の場合にはこの志村対応をコーネン・プラス空間に制限すると志村対応が簡明な形に記述できることが知られていた。 本研究課題においては半整数保型形式の理論を詳細に研究することが重要な目標であったが、平賀郁との共同研究においてコーネン・プラス空間の構成をヒルベルト保型形式に対して拡張することに成功し、この研究成果に関する論文が今年度掲載された。 また、コーネン・プラス空間の理論のヒルベルト・ジーゲル保型形式への応用についても一定の成果があり、今後この成果については論文にまとめて発表する予定である。
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