研究課題/領域番号 |
21340012
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
栗原 将人 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40211221)
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研究分担者 |
太田 克弘 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40213722)
田中 孝明 慶應義塾大学, 理工学部, 助教 (60306850)
坂内 健一 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (90343201)
松野 一夫 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (40332936)
八森 祥隆 東京理科大学, 理工学部, 講師 (50433743)
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キーワード | 整数論 / 岩澤理論 / 岩澤主予想 / 楕円曲線 / 国際研究者交流 / カナダ:中国:アメリカ |
研究概要 |
岩澤理論の中核をなすのは、いわゆる岩澤主予想と呼ばれる関係である。すなわち、イデアル類群などの数論的に非常に重要な群へのGalois群の作用から決まる特性多項式が、p進L関数というゼータ関数のp進解析的な対象と一致する、というものである。われわれの研究の目的は、イデアル類群やSelmer群などのGalois群の作用をこめた加群の構造を、岩澤主予想よりもずっと詳しい精密な形で、ゼータ関数もしくはp進ゼータ関数から取り出せる、という理論を構成することである。昨年度は、イデアル類群の次に具体的な計算が可能である楕円曲線の場合を詳しく研究した。楕円曲線のTate Shafarevich群の様子が位数だけでなく、(アーベル群としての)構造の様子もゼータ関数から来る元を使って記述できることを証明した。ただしこの構造定理は、イデアル類群の構造定理とは違う形で定式化しなければならないこともわかった。イデアル類群の場合の構造定理と異なる理由は、楕円曲線に伴う表現が自己双対であるからであり、また解析的方面ではゼータ関数の関数等式に対応している。このように自己双対なモチーフを扱うときには、われわれの定式化では特別の注意が必要であることがわかった。また、Galois cohomologyの中に従来のEuler系やKolyvagin系とは異なる、ゼータ関数の値と結びつく元の系列が存在していることを、通常還元をもつ表現の場合に証明した。
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