研究課題/領域番号 |
21340013
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山口 孝男 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (00182444)
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研究分担者 |
塩谷 隆 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90235507)
磯崎 洋 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (90111913)
永野 幸一 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (30333777)
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キーワード | 崩壊 / スペクトル逆問題 / プラス・ベルトラミ作用素 / アレクサンドロフ空間 / リッチ流 |
研究概要 |
平成21年度に引き続き、断面曲率の絶対値と直径が一様に有界なn次元リーマン多様体と正規化されたリーマン測度の対の成すモジュライ空間の、測度つきGromov-Hausdorff位相に関するコンパクト化集合において、スペクトル逆問題を考察した(Y.Kurylev,M.Lassas両氏との共同研究)。平成23年2月の筑波大学、3月のUCLにおける両氏との共同研究により、このモジュライ空間のサブジュライ空間としてオービフォルドの場合に、スペクトル逆問題の一意性および定性性の議論を論文にまとめる作業がほぼ一段落しつつある。一般の場合は、来年度論文執筆に着手する予定である。平成22年8月にインドで開催された国際数学者会議の幾何学部門招待講演において、これまでのリーマン多様体の崩壊理論、本質的被覆、スペクトル逆問題について研究成果発表を行った。 三石史人氏(筑波大D3)との共同研究により、3次元アレクサンドロフ空間の崩壊理論の第一段階、すなはち、空間が境界を持たない場合に、崩壊の構造を完全に決定することができた。リーマン多様体とは違った幾つかの崩壊現象が起こることが判明した。アレクサンドロフ空間のモジュライ空間はコンパクトであるので、このより大きな枠組みの中でリーマン多様体の場合の塩谷-山口の崩壊理論を拡張できた意味は大きい。来年度の課題は境界つき3次元アレクサンドロフ空間の崩壊理論を構築することであろう。この研究は、三石氏が12月の京都大学のセミナーで、また2月の筑波大学における研究集会において研究成果発表をした。今年度後半において、横田巧氏(京都大学数理解析研究所)との共同研究により、3次元閉多様体上のリッチ流の特異点構造の局所版の解明に成功した。来年度の研究において論文にまとめ、さらにある種のリッチ流の不変量の収束まで展開させたい。また2次元の曲率が上に有界な距離空間の局所構造について論文執筆中である。当初に比べて線職面の議論を深化させる必要がある。この考察で得られた知見は来年度以降の論文執筆に有益となろう。この研究については、11月に新潟大学で、12月に九州大学における集中講義において一部紹介した。(B.Kleiner,永野幸一氏、塩谷隆氏との共同研究)。
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