研究課題/領域番号 |
21340015
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
鎌田 聖一 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60254380)
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研究分担者 |
作間 誠 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30178602)
島田 伊知朗 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10235616)
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キーワード | グラフィクス / カンドル / チャート / レフシェツ・ファイバー束 / モノドロミー / バイカンドル / 4次元 / 結び目 |
研究概要 |
前年度からの継続である種数2のレフシェツ・ファイバー束のモノドロミーをグラフィクス(チャート)を用いて記述する方法とその応用として得られた安定化に関する定理を完成させて論文にまとめた。これについて平成22年9月にメキシコで開催された国際会議で特別招待講演を行った。チャート表示によって、これまで複雑であったモノドロミーの計算を図形の変形という簡単な操作で行うことができるようになった。このアイデアは高い種数にも適用することができ、汎用性がある。安定化に関する定理は、特別な場合として、B.SiebertとG.Tianの定理およびD.Aurouxの定理を含んでおり、種数2ではもっとも一般的なものとなっている。 カンドルの一般化であるバイカンドルについて、カンドルからある操作(「ツイスト」と「標準ツイスト」という)を行うことでバイカンドルを得る方法を考案した。これは、カンドルとある条件を満たす2つの自己同型写像が与えられると、そこからバイカンドルを構成する方法である。2つの自己同型が恒等写像である場合は、Bourgoinが提唱した「ねじれ結び目群」という概念にバイカンドルとしての解釈を与えることになる。ねじれ仮想3葉結び目が仮想結び目ではないことをバイカンドルによる彩色数の議論のみで証明することができる。 平成22年11月に広島大学で研究集会「4次元トポロジー」を開催し、レフシェツ・ファイバー束など4次元トポロジーの意見交換を行った。特に、R.I.Baykur氏と種数1のブロークン・レフシェツ・ファイバー束のモノドロミーに関する共同研究行い、ある条件のもとでモノドロミーの分類を行った。平成23年1月に広島大学で国際会議「The Seventh East Asian School of Knots and Related Topics」を開催した。
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