研究課題/領域番号 |
21340015
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
鎌田 聖一 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60254380)
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研究分担者 |
作間 誠 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30178602)
島田 伊知朗 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10235616)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | グラフィクス / チャート / カンドル / 結び目 / 曲面結び目 / レフシェツ・ファイバー束 / 4次元トポロジー |
研究概要 |
高い種数のレフシェツ・ファイバー束の研究にグラフィクス(チャート表示法)を用いる研究を行った。一般のレフシェツ・ファイバー束では取扱が複雑なため、超楕円的レフシェツ・ファイバー束に関してそのモノドロミーを表すチャート表示法を与えることに成功した。定義に用いる頂点の条件が簡単で利用しやすいことが特徴である。基本となる超楕円的レフシェツ・ファイバー束をリストアップし、ファイバー和に関する安定化の研究を行った。関連する研究者と論文の形にまとめた。もう少し検討を重ねた上で次年度(最終年度)に学術雑誌へ投稿予定である。 2次元ブレイドのチャート表示に関しては、2重点を許容する特異2次元ブレイドについて非単純な場合のチャート表示に関する研究を行った。特に「正則」な特異2次元ブレイドに対して、それを表すための特別なチャート表示(正則表示と呼ぶ)を与えて変形理論を構成した。同値な正則特異2次元ブレイドを表す2つの正則チャートはある基本変形の列で移り合うことを示した。この結果について平成24年1月に群馬大学で開催された研究集会で口頭発表を行った。 3次元多様体が3次元球面の絡み目に沿った分岐被覆で表示できる。その際に、絡み目の補空間の基本群から対称群への表現であるモノドロミーが使われる。これをブレイド群へ持ち上げることで3次元多様体の5次元球面への埋め込みやはめ込みを構成する手法を開発し、平成24年12月にジョージワシントン大学で開催された国際研究集会で発表した。 平成24年5月に京都大学数理解析研究所で低次元トポロジーに関する研究集会「Intelligence of Low Dimensional Topology」を組織委員として、平成24年11月に広島大学で研究集会「4次元トポロジー」を組織委員・世話人として開催し、4次元トポロジーの意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
種数2のレフシェツ・ファイバー束のチャート表示の研究成果を応用して、超楕円的レフシェツ・ファイバー束のチャート表示を構成できたことは順調である。研究目的であるチャートを用いた4次元トポロジーの主要部分の1つである。
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今後の研究の推進方策 |
正則な特異2次元ブレイドを表す正則チャートに関して、その幾何的な意味付けを行う必要がある。3次元空間への射影図の特異点集合とチャートが対応することが期待されるので、その方面からの意味付けが期待される。
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