レフシェツ・ファイバー束の研究にグラフィクス(チャート表示法)を用いる手法の開発を継続し、超楕円的レフシェツ・ファイバー束の場合に、ファイバーが一般種数の場合でも比較的扱いやすく、安定化の議論などにも十分利用できるチャート表示法を与えることができた。平成24年度に原型ができていたものを、25年度は遠藤久顕氏との共同研究により国際会議で口頭発表(遠藤久顕氏により発表)し、その報告集として査読付きの学術雑誌(Topology and Its Applications)に掲載が受理された。基本となる5種類の超楕円的レフシェツ・ファイバー束を定め、その内の0型レフシェツ・ファイバー束を何個かファイバー和をとることで、任意の超楕円的レフシェツ・ファイバー束が基本超楕円的レフシェツ・ファイバー束のファイバー和として実現できること(安定化定理)が明確に示すことができた。これは研究代表者がこれまでに開発した種数1および種数2のレフシェツ・ファイバー束の安定化定理を自然に拡張するものである。 前年度から引き続いて、正則な特異2次元ブレイドのチャート表示について平成24年1月に国内の研究集会で口頭発表したが、そのまとめを行った。正則な特異2次元ブレイドを正則表示というチャート表示の一般化を用いて表し、その際の基本変形を与えた。平成25年11月に米国ルイジアナ大学ラファイエット校で開催された国際研究集会で口頭発表した。3次元ブレイドに関してグラフィクス(チャート表示法)を導入して、平成25年11月に米国カリフォルニア大学リバーサイド校で開催されたアメリカ数学会の研究集会で口頭発表した。 平成25年5月に京都大学数理解析研究所で研究集会「Intelligence of Low-Dimensional Topology」を組織委員として開催し、平成25年11月に広島大学で研究集会「4次元トポロジー」を組織委員・世話人として開催して、4次元トポロジーの意見交換を行った。
|