研究課題/領域番号 |
21340027
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
仲田 均 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40118980)
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研究分担者 |
田村 明久 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50217189)
厚地 淳 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (00221044)
宮崎 琢也 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (10301409)
夏井 利恵 日本女子大学, 理学部, 講師 (60398633)
浜 正樹 文京学院短期大学, 英語科, 准教授 (90389875)
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キーワード | エルゴード理論 / 連分数 / ユークリッドアルゴリズム / 国際研究者交流 / 国際情報交換 / オランダ:フランス:韓国:イスラエル:イタリア |
研究概要 |
本年度は当初の研究計画に従い特にユークリッドアルゴリズムのエルゴード理論に関していくつかの研究成果を得た。ユークリッドアルゴリズムは、単純連分数展開を始めとする多くの数展開の理論で基本的なアルゴリズムである。また、コンピュータ理論の中では有限体を係数とする複数の多項式の最大因子を計算するアルゴリズムとしても重要な役割を果たしている。今年度の研究の中では、まず、d次元のpositive coneの中でユークリッドアルゴリズムのひとつであるfully subtractive alrogithmに関するSchweigerにより提起された未解決問題をほぼ解決した。すなわち、このアルゴリズムが一つの場合を除き(この部分は未解決)エルゴード的でないことを示した。また、すべての場合でSchweigerの指摘した領域が予想通り非再帰的であることを示した。この成果は、Israel Journal of Mathematicsより出版されることが確定している。有限係数をもつ多項式に関するユークリッドアルゴリズムの手順の回数に関する問題についても、その回数の漸近挙動についていくつかの成果があり、これについてはさらに研究を進めている(伸田、夏井、Berthe)。連分数展開と実数の近似問題についてはBrjuno数の特徴付けに関してつぎのような研究成果を得た。片側からの近似の性質によりsemi-Brjuno数の概念を導入し、付随するBrjuno関数を定義した。そして、xと-xがsemi-Brjuno数になることが、xがBrjuno数であることの必要十分条件であることを示すのに成功した。これの研究成果は、Journal of Approximation Theoryに公表されている。
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