研究分担者 |
石井 仁司 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (70102887)
山田 義雄 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20111825)
西原 健二 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (60141876)
田中 和永 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20188288)
小澤 徹 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70204196)
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研究概要 |
研究目的にかかげた目標に関する次の成果が得られた. (1)外部から熱が流入する非線形境界条件と内部で熱を吸収する非線形項をもつ非線形放物型方程式の解の漸近挙動(解の爆発,特異定常解の安定性・不安定性)について解析した.特に,境界からの熱の流入と内部での熱吸収とが釣り合う「臨界状態」に対して次の事実を解明した. (i)空間一次元の場合,すべての正値解は時間大域的に存在し,特異定常解に漸近することが知られていたが,空間次元が2以上の場合には,すべての正値解は有限時間で爆発することが示された. (ii)解の爆発レートが非臨界の場合と大きく異なるという新奇な現象を発見した. (2)海洋学で扱われているモデルの一つである,流体(水)の速度及び温度と流体中の溶質(塩)の濃度の振舞いを記述する二重拡散方程式系(Brinkman-Forchheimer方程式(ストークス方程式の変形方程式)とナビエ・ストークス型の移流項をもつ放物型方程式との混合方程式系)の2または3次元有界領域における時間大域解の存在と一意性が,ストークス作用素とラプラス作用素の1/4位の分数〓の定義域に属する初期値に対して示された.これによって,この方程式系に対する,大域アトラクターの構成の出発点がクリアーされたことになる.また,よく知られているように、3次元空間におけるナビエ・ストークス方程式の一意的時間大域解の存在問題が未解決大問題である事実と比較すると,非常に興味深い知見を与えている. (3)空間変数xに依存することを許す,かなり一般的な非線形項f(x,u)をもつ非線形放物型方程式:U_t=△_pu+f(x,u)に対する初期値境界値問題に対して,全ての解軌道を引き付ける「大域アトラクター」が,L^2で構成され,さらにそれが無限次元を持つ事実が示された.
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