• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

ミリ波サブミリ波による巨大バイナリーブラックホールの観測的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21340044
研究機関国立天文台

研究代表者

井口 聖  国立天文台, 電波研究部, 准教授 (10342627)

キーワード電波天文学 / バイナリブラックホール / 巨大銀河形成 / 精密モニター
研究概要

昨年度開発した8Gサンプル3ビットアナログ・デジタル変換器への入力部には適正レベルに調整する機能を持たせる必要があり、常温アンプそして帯域外信号除去のためのバンドパスフィルタ、伝送路での反射や共振を防ぐためのアイソレータ、入力信号パワー調整のための可変アッテネータなどを用いて、本年度は高精度観測モニター観測システムの開発を行った。現在搭載されているデジタル変換器のビット数が1ビットであることから、それを3ビットに拡張することにより、電波望遠鏡の検出感度を1.5倍に上昇することができる。さらに4GHz帯域幅を実現すれば、世界に類の無い広帯域高感度観測が可能となる。本研究では、バイナリブラックホールが中心部に存在すると思われている巨大楕円銀河を中心に、ミリ波サブミリ波での高精密モニター観測を実施し、バイナリブラックホールの検出を目指す。また、早期型銀河シルエットディスクのガスの物理状態やAGNの活動性との関係などを統計的に調べ、AGNに付随する分子ガス円盤/リングの特性について明らかにし、巨大銀河形成メカニズムを解明することまで辿り着けることを目指す。最終的に、ブラックホール・ディスク・ジェットといった銀河のエンジンとガソリン(エネルギー供給源)の関係を解き明かしたい。
計画通り、本年度は高精密モニター観測システムの構築に成功し、システム総合試験にて予定通りの性能が出ていることを確認した。また、現存する望遠鏡群を用いて巨大楕円銀河である3C 66Bを観測し、その中心に衝突直前のバイナリブラックホールが存在することを発見した。この成果は米国の天体物理学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル・レター」に掲載され、報道発表も行った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] A Very Close Binary Black Hole in a Giant Elliptical Galaxy 3C 66B and its Black Hole Merger2010

    • 著者名/発表者名
      Satoru Iguchi, Takeshi Okuda, Hiroshi Sudou
    • 雑誌名

      Astrophysical Journal Letters

      巻: 724 ページ: 166-170

    • 査読あり
  • [学会発表] 衝突する直前のバイナリブラックホールの検出2011

    • 著者名/発表者名
      井口聖、奥田武志、須藤広志
    • 学会等名
      2011年日本天文学会春季年会 予稿集A21a
    • 発表場所
      筑波大学(東日本大震災により中止。但し、発表は成立)
    • 年月日
      2011-03-19
  • [備考]

    • URL

      http://alma.mtk.nao.ac.jp/~iguchi/press_release/index.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi