1. 極冷中性子干渉計の開発 (1)極冷中性子の干渉を観測するためには、干渉計のコンポーネントを数10nmの位置精度で配置する必要がある。このような高精度での配置を実現するために、中性子と可視光をほぼ同じ経路で通すことのできる干渉計を開発した。入射する可視光としてはコヒーレン長が短い白色光源を利用することとし、干渉させる2つの経路長が一致するように調整できるようにした。この仕組みによって、極冷中性子の干渉計に必要となる配置の精度を実現できる可能性が高まった。 (2)中性子と可視光をほぼ同じ経路で通すために必要となる特殊な半透明鏡を開発した。機械的な強度が不足しているために金属蒸着膜が破壊されてしまったが、この問題を回避するデザインを考案した。 2. アライメント機構・フィードバック装置の開発 (1)極冷中性子の干渉を観測するためには、干渉計の各種コンポーネントの位置を10nm程度の精度で測定し、常に所定の位置へと動かす機構が必要である。白色光干渉縞の形状と色を測定するために、小型分光計を利用したコンパクトな読み出し装置を開発した。小型分光計からの信号を解析することで、干渉計の各種コンポーネントを所定の位置へとアライメントするフィードバック装置が可能になる。この装置を極冷中性子干渉計に組み込むために、サポートや微動機構のデザインを終えた。 (2)観測された白色光干渉縞の情報から、2つの経路長の差を正確に予測するための研究を行った。この結果は、正確なフィードバックを行うために非常に重要である。
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