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2010 年度 実績報告書

K中間子凝縮核の実験的理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21340050
研究機関東京大学

研究代表者

山崎 敏光  東京大学, 大学院・理学系研究科, 名誉教授 (80011500)

研究分担者 赤石 義紀  日本大学, 理工学部, 客員教授 (50001839)
キーワードK中間子 / K中間子核 / 陽子陽子衝突反応 / 高密度核 / K中間子凝縮
研究概要

K中間子核ができるか否かは、K-とpとの束縛状態の出来方にかかっている。最近、カイラルダイナミックス理論に基づく議論がなされ、われわれの出発点であるラムダ1405共鳴粒子の位置と幅と大きく異なるところに予言されている。したがって、実験的にK-p束縛状態を同定することが、緊急の課題となっている。既に、われわれが同定したK-pp束縛状態はp-p反応のDISTO実験データの解析から密度が高く、深いことが知られており(発表論文PRL,2010)、カイラル理論の予言から大きく離れている。理論的にも、カイラル理論の予言はこれまで知られている実験となじまない、ことを示した(発表論文Nucl.Phys.)。この問題を更に深めるため、d,3He,4HeによるK-吸収反応でK-p束縛状態がどう現れるかの理論的指針を作った(発表論文Phys.Lett.B,Phys.Rev.C)。これら共鳴的吸収反応における実験質量スペクトルのDeviation表示から、K-p束縛状態の質量と幅が精度良く決定されることがわかった。古い泡箱の実験データからでも、状態がラムダ1405粒子と一致することがわかった。とくに、重陽子標的の場合、この反応は有効で、J-PARCでの実験が期待されている。
K中間子を2個含む原子核はこれまで殆んど研究されていなかった。われわれはDISTO実験で成功したp-p反応を拡張すると、K-K-ppという全く新しい原子核が生成することを予言し、発表した(発表論文Proc.Jpn Acad.)。それは、高エネルギーのp-p反応では、2個のラムダ1405粒子が短距離で同時生成するため、それらの高密度凝縮体であるK-K-ppが大量に出来るのである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件)

  • [雑誌論文] Indication of a Deeply Bound and Compact K-pp State Formed in the pp->pLK+ Reaction at 2.85 GeV2010

    • 著者名/発表者名
      T.Yamazaki, et al
    • 雑誌名

      Phys.Rev.Lett.

      巻: 104 ページ: "132502-1"-"1132502-5"

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ANN three-body force due to coherent Λ-Σ coupling2010

    • 著者名/発表者名
      Y.Akaishi
    • 雑誌名

      Prog.Theor.Phys.Suppl.

      巻: 186 ページ: 378-383

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Single-pole nature of Λ(1405) and structure of K-pp2010

    • 著者名/発表者名
      Y.Akaishi, T.Yamazaki, M.Obu, M.Wada
    • 雑誌名

      Nucl.Phys.A

      巻: 835 ページ: 67-74

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Three-body force and the limit of oxygen isotopes2010

    • 著者名/発表者名
      T.Otsuka, T.Suzuki, J.Holt, A.Schwenk, Y.Akaishi
    • 雑誌名

      Phys.Rev.Lett.

      巻: 105 ページ: 032501-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Experimental confirmation of the Λ(1405) ansatz from resonant formation of a K-p quasi-bound state in K- absorption by ^3He and ^4He2010

    • 著者名/発表者名
      J.Esmaili, Y.Akaishi, T.Yamazak
    • 雑誌名

      Phys.Lett.B

      巻: 686 ページ: 23-28

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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