これまで、Ba原子標的、1500nmレーザー及び554nmレーザーの準備をすすめ、暗黒共鳴生成にとりかかった。現在までのところ、暗黒共鳴の生成を確認できていない。一方、同じシステムで、パルスレーザーによる実験も行っている。この時は、Ba原子の2レベル間のコヒーレンスを利用した状態遷移のコントロールに成功している。この方面においては、非常に大きな進展があった。原子集団に対して、超放射を用いて電子を瞬時に準安定レベルに移動させることに成功した。この状態は1光子放出による遷移が非常に遅く、準安定である。その状態から2光子放出による脱励起が観測されつつある。2光子放出の超放射に対しては、超放射かつこのコヒーレンスが、通常の超放射以上に大規模な領域に対して発展可能になるという、マクロコヒーラント増幅機構の検証ができつつある。
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