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2009 年度 実績報告書

パイオン崩壊分岐比の超精密測定と標準理論を越えた物理の探索

研究課題

研究課題/領域番号 21340059
研究機関大阪大学

研究代表者

青木 正治  大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (80290849)

研究分担者 吉田 誠  大阪大学, 大学院・理学研究科, 特任研究員 (70379303)
キーワードパイオン / 標準理論 / 精密測定 / 波形記録
研究概要

素粒子の標準理論ではπ^+→e^+ν_e崩壊はヘリシティー抑圧されており分岐比が非常に小さい。そのため、ヘリシティー抑圧されない新しい物理現象に対して、その効果が大きく増幅して観察される特別な崩壊モードとなっている。本研究の目的は、π^+→e^+ν_e崩壊とπ^+→μ^+ν_μ崩壊の相対的な分岐比(R_<e/μ>)を0.05%の精度で超精密測定することにより、標準理論の枠外の現象を探索する事にある。
本年度は、2009年4月からデータ収集を開始し、途中1ヶ月程のビーム休止期間を挟んで2009年12月までデータを取り続けた。日本からも、カナダTRIUMFへの長期滞在やインターネット経由でのリモートアクセスなどを活用しながらデータ収集を積極的に行った。このデータ収集において、取得中のデータ品質を管理するソフトウェアーなど、日本グループが果たした役割は非常に大きい。8月以降のデータは物理データとしての品質を備えており、すぐに物理解析を開始した。
解析は、日本グループが持ち込んでいるπ^+→μ^+→e^+の連続崩壊を観測する為の高性能波形記録装置のみならず、飛跡検出器や陽電子カロリメータなど、すべての部分で日本グループが牽引した。本実験の解析は引き続き進行中であるが、その解析の過程で重いニュートリノ探索の解析を行い、現在の上限値を約1.5倍改善する事ができた。これによって、日本グループから博士号取得者を1名輩出した。
また、日本グループはπ^+→μ^+→e^+の連続崩壊を観測する為の高性能波形記録装置を持ち込んでいるが、この装置の改良も行い、データ品質の更なる向上に貢献した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] π^+→e^+ν_e崩壊分岐比測定実験-実験開始-2009

    • 著者名/発表者名
      山田薫
    • 学会等名
      日本物理学会2009年秋期大会
    • 発表場所
      甲南大学(兵庫)
    • 年月日
      2009-09-10
  • [図書] Search for Massive Neutrinos in π^+→e^+ν_e Decay2010

    • 著者名/発表者名
      山田薫
    • 総ページ数
      125
    • 出版者
      自費出版(博士号論文)

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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