GEMやMicromegasなどのMicro Pattern Gas Detector(MPGD)と呼ばれる装置を組み合わせて、光電効果で得られた電子をガス増幅させて光信号を電気信号に変換する、ガス増幅型の光電子増倍管の開発を行った。本開発研究で大きな問題となったのが、ion-feedbackと呼ばれるもので、ガス増幅過程で発生したイオンが電場に導かれて光電面に当たり、新たな電子を作ったり光電面そのものを劣化させる現象である。このion-feedbackを効率よく抑制し、高い増幅率と安定したoperationを目指して研究を進めた。最終的にMicromegasを多段組み合わせて使用することで、105近いゲインと10-3のion-feedback抑制が実現できた。実用化にはあと1桁のion-feedback抑制が望まれるが、ほぼ実用化に近いガス増幅型の光電子増倍管が完成した。
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