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2010 年度 実績報告書

中性子過剰核の寿命の系統的測定とその効率化

研究課題

研究課題/領域番号 21340065
研究機関東京理科大学

研究代表者

千葉 順成  東京理科大学, 理工学部・物理, 教授 (50126124)

研究分担者 炭竈 聡之  東京理科大学, 理工学部, 助教 (20392003)
キーワード不安定核 / 加速器実験 / ベータ崩壊 / 寿命測定 / 元素合成 / データ収集効率化 / Zr-110
研究概要

平成22年度は、おもに、平成21年度秋に行った実験の解析を行った。以下に詳しく述べる。
ベータ崩壊事象はビーム事象と独立に発生し、かつ両事象を同一の検出器で測定するため、両事象を効率良く収集するためには工夫が必要であった。新たに開発した100MHzのクロックを持つタイムスタンプモジュールを用いた新しいデータ収集システムは設計通り動作し、効率的なデータ収集ができた。ゲルマニウム検出器に関しては、検出器からの信号を2つに分けて、これまでの回路(アンプ増幅+ADC)と本科研費で購入したCPU内蔵のDSPモジュールの両方でデータ収集を行い、その2つの結果を比較検討した。DSPモジュールの仕様に不備があったため、現在改良を依頼中である。それによって効率が大幅に向上することが期待できる。
RIBF加速器でウラン238を一次ビームとして不安定核二次ビームを生成させ、その二次ビーム中に含まれるZr-110周辺の不安定核に焦点を絞り、ベータ崩壊の寿命やベータ崩壊後のガンマ線放出、さらには二次ビーム中に少量含まれるアイソマーからのガンマ線を同時に測定し、そのデータ解析を行った。複数の不安定核について世界で初めてベータ崩壊の寿命が測定できた。Zr-110周辺の不安定核の寿命は宇宙における元素合成プロセスにとって非常に重要なデータであり、今後の進展が期待できる。また、ガンマ線の測定により、この領域の原子核構造に関する新しい知見が得られており、核の形状等に関しての研究も進展した。これらの成果について、国内外の研究集会で口頭発表するとともに論文としてPRL等に掲載された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Low-lying level structure of the neutron-rich nucleus Nb-109 : A possible oblate-shape isomer2011

    • 著者名/発表者名
      H.Watanabe, et al.
    • 雑誌名

      Physics Letters B

      巻: 696 ページ: 052502/1-5

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Beta-Decay Half-Lives of Very Neutron-Rich Kr to Tc Isotopes on the Boundary of the r-Process Path : An Indication of Fast r-Matter Flow2011

    • 著者名/発表者名
      S.Nishimura, et al.
    • 雑誌名

      Physical Review Letters

      巻: 106 ページ: 052502/1-5

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of 45 New Neutron-Rich Isotopes Produced by In-Flight Fission of a U-238 Beam at 345 MeV/nucleon2010

    • 著者名/発表者名
      T.Ohnishi, et al.
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan

      巻: 79 ページ: 073201

    • 査読あり
  • [学会発表] First decay spectroscopy at RIBF for neutron-rich nuclei in mass A~110 region2010

    • 著者名/発表者名
      T.Sumikama, K.Yoshinaga, et al.
    • 学会等名
      JUSTIPEN-EFES Symposium on "Cutting-Edge Physics of Unstable Nuclei"
    • 発表場所
      Aizu, Japan
    • 年月日
      2010-11-11
  • [学会発表] β-γ核分光法を用いた質量数110近傍のZr同位体の構造研究2010

    • 著者名/発表者名
      吉永健太, 炭竃聡之, 他
    • 学会等名
      日本物理学会 2010年秋季大会
    • 発表場所
      九州工業大学
    • 年月日
      2010-09-13

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公開日: 2012-07-19  

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