研究課題/領域番号 |
21340068
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
早川 岳人 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (70343944)
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研究分担者 |
静間 俊行 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (50282299)
宮本 修治 兵庫県立大学, 付属研究所, 教授 (90135757)
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キーワード | 宇宙核時計 / ルテチウム / 光核反応 / 半減期 |
研究概要 |
Lu-176(ルテチウム)は約4×10^<10>年の半減期でHf-176(ハフニウム)にベータ崩壊する。そのため、惑星、地殻の形成年代、太陽系生成以前の恒星内元素合成の発生年代等を計測する核宇宙時計として潜在的な価値がある。しかし、176Luの半減期は信頼できないという致命的な問題がある。過去20年間に9グループがガンマ線測定による直接測定を行ったが誤差の範囲で一致しない。一方、地球科学者は、間接測定(既に年代の判明している試料中の176Lu/176Hfから半減期を求める手法)を行った。しかし、地球岩石から求めた半減期と、限石から得た半減期が一致しないという信じ難い結果が出たのである。そこで、ベータ・ガンマ同時計数法及び、全立体角放射線測定法の2種類の測定法を用いる。また、限石と岩石から求めた半減期不一致の原因として、高温(10^8K以上)の天体環境下における基底状態とアイソマーの核共鳴蛍光散乱による遷移が考えられる。アイソマーは約4時間で崩壊するため、基底状態からアイソマーに遷移すると崩壊が早まる。そこで、レーザー逆コンプトンガンマ線を用いた光核反応で研究するためファイバーレーザーの導入を行った。レーザー逆コンプトンガンマ線(LCS)はシャープなエネルギー幅(dE/E~10%)と完全偏光が可能という従来にない特徴を有し、核蛍光散乱実験において高いS/N比を得ることが可能である。SPring-8内のNewSUBARU放射性光施設に1.5μm波長Erファイバーレーザーを導入し、レーザー逆コンプトン散乱ガンマ線の生成を行いその性能を評価した。一方、基底状態とアイソマーが存在する場合の遷移について、アイソマーへの遷移確率の時間変化を求めるモデルを構築した。
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