研究課題
1、局所光励起正孔状態制御手法の確立局所光照射されて生成される正孔の状態を合わせて制御するという観点から、ナノメートルサイズの表面電極構造の設計を行い、試料作製を行った。作製された半導体ナノ構造試料の量子輸送特性の評価を行った。2、半導体ナノ構造試料の局所光照射効果局所光励起法を用いて電子・正孔を半導体ナノ構造に注入する機構の解明を行った。近接場光学顕微鏡を用いて、二次元電子系ホールバー構造バンド端に準共鳴した波長の光を局所的に照射することにより電荷注入を行い、その応答を電気伝導により観測して空間イメージングを行った。磁場中二次元電子系の試料端に形成される量子ホール端状態では、ポテンシャルが一定で電子密度がなめらかに変化する圧縮性液体とフェルミ面にギャップがあり電子密度が一定の非圧縮性液体が縞状に交互に分布することが理論的に示されている。量子輸送特性測定によりこの端状態の存在は間接的に示されて例はあったが、その空間分布を直接観測した例はなかった。私たちは、GaAs/AlGaAs単一ヘテロ接合ホールバー試料を用いて、試料温度約200mK、垂直磁場下において光起電圧の空間マップ像を得た。その結果試料の端に平行な間隔約710nmの縞状構造が観測された。さらに、磁場を変えて電子占有数(ν)に依存した空間マップ像を取得した。縞状構造がνの変化に伴い、試料端から離れていく様子を観測した。この結果は圧縮性液体/非圧縮性液体のモデルを用いて定性的に説明された。
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Physics Procedia 3
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http://www.px.tsukuba.ac.jp/home/ecm/snomura/lab/index.html