研究課題
1、ホールバー構造、量子ドット構造、量子ポイントコンタクト構造等の局所光照射効果:昨年度までに作製された電子線露光法により作製された量子ドットと量子ポイントコンタクトが結合した試料の光照射下での量子輸送特性の評価、および量子系への光照射効果の評価を希釈冷凍機中極低温、強磁場下で引き続き実施した。量子ポイントコンタクトの量子化抵抗のステップの光照射効果を明らかにした。励起光の波長を選ぶことにより、量子ホール端状態のみを光励起するか、もしくは二次元電子系のバルク状態と端状態の双方を光励起するかを選択可能であることを示した。試料端に局所的に光生成された非平衡電子の輸送過程をたどることに成功した。輸送過程のボトルネックとなる量子ホール端状態とバルク状態間の結合の大きさが電子占有数νに応じて振動していることを明確に示した。2、光生成スピンの空間イメージング:レーザー光源と光プローブまでの経路を全面的に見直し、光プローブから出射される円偏光度の向上を図った。室温から低温への温度変化によって生じる偏光の補正を外部的に行う手法を編み出した。その結果、200 mKの極低温下にて量子ホール端状態の試料表面にバンド端に共鳴した波長の円偏光励起光を照射し光生成スピンを局所的に照射することに成功した。さらに、その空間イメージングを得ることに成功した。3、光ゲートを用いた超高速過渡的測定:昨年度までに作製された光ゲート構造を複数配置した半導体試料、顕微セットアップを用いてフェムト秒レーザーパルスを空間的に離れた2点に局所的にポンプ、プローブ光として照射し、それらのピコ秒領域での時間相関応答を同期周波数80 MHzの高周波帯において引き続き調べた。二つの光ゲート構造の間にゲート付き半導体素子を挿入し、その応答特性を調べた。その結果、超高速過渡的応答特性のゲート電圧依存性が明らかにされた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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AIP Conf. Proc.
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