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2010 年度 実績報告書

フェルミ並びにボーズ粒子超流動体の新しい秩序相の探求

研究課題

研究課題/領域番号 21340103
研究機関岡山大学

研究代表者

町田 一成  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50025491)

キーワード重い電子系 / 超伝導体 / UPt3 / 渦格子 / 超流動ヘリウム3
研究概要

当該課題の下に、以下の項目について研究を遂行し一定の成果を得た。
(1)重い電子系の超伝導体UPt3についての研究
この課題について実験グループとの緊密な連携の下に、対関数の対称性決定を行った。熱伝導率を磁場を結晶軸に対して回転しながら測定した。その結果、hexagonalな結晶対称性が高磁場で超伝導相内で自発的に破れていることを発見した。これはこの系で知られている3つの超伝導相A,B,Cの中の高磁場、低温相であるC相に対応している。それに対して、低温、低磁場相であるB相では対称性の破れは存在しないことも、明らかにした。従来予想されていた4回回転対称性ではなく、2回対称性が今回見いだされたことを踏まえて、理論的に対関数の群論的な分類を新たに実行した。その結果、これはhexagonal symmetryの中の、2次元既約表現に属するElu対称性のf波対関数であることが判明した。同定された対関数を用いて、準古典Eilenberger方程式を磁場中で解くことにより、3つの超伝導相A,B,Cそれぞれについて、渦の安定な周期的構造を見いだすことに成功した。特に、A,とC相は2回対称なので、渦格子もまた、それに呼応して特異な構造を形成していることを明らかにした。ここで見いだされた渦格子構造は、中性子散乱実験で検証されることが期待できる。また、走査型トンネル分光法によっても観測可能であることを指摘した。
(2)マヨラナ準粒子の研究
超流動3HeのA相並びのB相での表面束縛状態の研究を遂行した。Andreev-Majorana準粒子の存在条件を微視的な理論形式の下で、現実的な実験条件を念頭に置きながら研究を行った。特に今回は薄い平行平板に閉じ込められた3HeのA相について、準古典Eilenberger方程式を多成分超流動状態を記述できるように拡張して、詳しい計算を行いマヨラナ準粒子のもつ特徴的なスペクトル構造を明らかにした。この結果を観測するための実験を併せて提案した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Majorana surface states of superfluid 3He A and B phases in a slab2011

    • 著者名/発表者名
      Y.Tsutsumi
    • 雑誌名

      Phys.Rev.B

      巻: 83 ページ: 1-12

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Field Evolution of the Fulde-Ferrell-Larkin-Ovchinnikov State in a Superconductor with Strong Pauli Effects2011

    • 著者名/発表者名
      K.M.Suzuki
    • 雑誌名

      J.Phys.Soc.Jpn.

      巻: 80 ページ: 1-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Skyrmion lattice and intrinsic angular momentum effect in the superfluid 3He A-phase under rotation2010

    • 著者名/発表者名
      H.Ichioka
    • 雑誌名

      Phys.Rev.B

      巻: 81 ページ: 1-6

    • 査読あり
  • [学会発表] 準古典理論によるFFLO状態の磁場変化2011

    • 著者名/発表者名
      鈴木健太
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      富山大学
    • 年月日
      20110921-20110924

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公開日: 2013-06-26  

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